宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

「武富健治の世界」展・第4期の展示ケースの記録写真がご覧いただけます。

 米沢嘉博記念図書館のホームページの「展示・イベント」のページが大幅に更新され、今までの企画展の展示記録写真がアップされました。


http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/archives/index.html


 このページが目次になっていて、各企画展のところをクリックすると、展示の趣旨や構成等々の文字情報だけでなく、下の方に展示ケースの写真が載るようになっています。
 森川嘉一郎さんがヴェネチア・ビエンナーレの「おたく」展のために作った、レンタルショーケース型の展示ケース(館内ではヴェネチアン・ケースと呼ばれています)は、米沢記念図書館の展示手法の特徴にもなっているわけですが、このケースの一つ一つをクリックするとケース内の展示が見られるようになっています。
 僕がキュレーションした「武富健治の世界」展のページだとこんなふうです。ケースの上にカーソルを持って行ってみてください。


http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-taketomi.html


 武富展以降の展覧会の場合、各ケースごとの解説文も写真と並んで載せられています。
 企画展の全体はこのヴェネチアンケースだけでなく、壁やテーブルケースも使って行われているのですが、壁には原画が展示されることが多く、そのままここに掲載できない場合が多いため、写真の掲載はありません。
 こうした形での展示記録写真のインターネット上での公開ということを、当初から企画していたわけではないそうなので、今後の展示については、あらかじめ著作権者の方に壁の展示写真も掲載してよいか確認しておいて、それらも掲載、ということはありうると思います。
 武富さんには壁の展示写真も「全部いいですよー」と言っていただいているのですが、今回はさしあたり、今までの企画展の記録を同一フォーマットでそろえるということになったので、こうなっています。将来的には載る可能性もあると思います。
 また、武富展のように何期かに分けて展示替えを行った場合も、どこかの時期のものを載せる、ということになっています。武富展の場合は第4期の展示写真です。
 

 と、あくまで、展示の全記録という趣旨ではなく、概要をお伝えするための写真掲載だとご理解いただければと思います。
 武富展の場合、ヴェネチアンケースにも貴重な原画がたくさん入っていますので、期間中においでになれなかった方にはそれなりにご堪能いただけるのではないかと思います。
 僕個人としては、やはり展示はその場でご自身の目で見ていただきたいので、こうした「さわり」の紹介によって、いっそう次はぜひ会場で見るぞ、という気持ちになっていただければと思っています。


 いずれにしても、こうした形で展示全体の半分以上の記録写真を公式サイトにアップするという例は、一般的な美術館・博物館にはあまりないと思います。なかなか画期的、ユニークな試みと言っていいと思います。ぜひ、お時間おありの際に、武富展だけでなく、ご興味のある展覧会の展示ケースをのぞいていただければと思います。