宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

「武富健治の世界」展、いよいよ第4期で幕を閉じます!

【会期終了の日付で載せています】


 「武富健治の世界−『古代戦士ハニワット』から『鈴木先生』まで−」展、いよいよ1月6日から第4期の展示となります。4カ月は長いと思われていたみなさん、もうこれでほんとに終わりです。
 申し訳ありませんが、米沢嘉博記念図書館は火・水・木は閉館の施設で、1月29日(日)で終了ですので、実は全部で15日しか開館日がありません。あっという間に終わります。行けるかもと思った時に、即、足をお運びください。土日は12時から18時まで、金・月は14時から20時まで開館しております。


http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-taketomi.html


 さて、第4期の展示は、いよいよ「@鈴木裁判」の登場です。写真でざくっとご紹介していきます。



 こちら、おなじみになった巨大直筆鈴木先生ポスター越しの会場風景ですが、左上隅の方に、ご注目ください。



 鈴木先生の絵と同じく本棚を背にした小川蘇美を描いた『ユリイカ』武富特集号の表紙の原画を、急きょ、展示させていただいています。
 これですね。



 内容のご紹介はこちらのエントリをどうぞ。


http://d.hatena.ne.jp/hrhtm1970/20111230/1325216130


 いや、この小川さんの絵、ほんとにいいです。原画で見るとなおいいです。
 そして。



 同じく『ユリイカ』武富特集の扉絵の原画も、展示させていただいています。しかもこちら、『ユリイカ』ではモノクロ掲載のところ、原画はカラー。武富ワールドのオールスターキャストをカラフルに描いています。
 いやー、ありえないですよ、こんなの。青土社から直接、ここに持ってきて展示してますから。


 で、この2点を含む、壁面の展示は、もはやおなじみとなった、相変わらずの高密度でお届けしております。



 今期は、「@鈴木裁判」編の、議論が佳境にさしかかったところ、竹地が「許されている!」を言うくだりです。原画の迫力、ご堪能ください。



 いつものように、同じシーンのネームノート、プロットのメモ、そしてテレビドラマ版のシナリオとスチルと、創作・制作のプロセスが見られる資料をふんだんに展示しています。
 特にご注目いただきたいのがプロットのメモ。「@鈴木裁判」編は、実は武富さんの当初の構想にはなかったという衝撃の事実は、すでに先日のトークイベント等でも明らかにされていますが、では、夏祭りでの麻美さんの「うっ」を目撃された後の展開は、当初どのように構想されていたのでしょうか。
 そのことがうかがえる、幻となった「@秋の足音」編のプロットのメモが、お借りした資料群の中に含まれていました。さて、どんな展開が構想されていたのか、ぜひ、ご自分の目で確かめに来ていただければと思います。もちろん「@鈴木裁判」編の様々なバージョンのプロットも展示しています。



 いつものように、壁に展示しきれなかったプロットのメモやネームノートの実物は、テーブルケースの方にふんだんに展示していますので、こちらもぜひ。
 そしてこの、仕事机の雰囲気を再現したケース内にはいつも武富さん自作の趣味のプラモデルが入っていて、なにげに展示替えされてるんですが(笑)、今回はなんと、小川、中村、鈴木のフィギュアが。写真の右上の方に見えますね。こちらもどんなものか、ぜひ間近でご覧いただければと思います。


 そのほか、8×4の米沢嘉博記念図書館独特展示ケースの方も、結構入れ替わってます。



 最上段のホラー短編は「天狗の張り紙」。これ、味があっていい話ですよ。
 


 高校時代に、自分の漫画がアニメ化されたという設定で描かれたセル画も、まだあります(笑)。今期も新しいのを出しています。
 


 美麗イラストレーションズも、新しいのがいくつか出ています。全体に冬を描いたイメージのイラストを多く展示してあります。「鈴木先生」では描けなかったけれど、実は季節では一番冬が好き、という武富さんの描く冬を、マフラーに手袋の小川さんとともに、ご堪能ください。



 武富さん自作の「古代戦士ハニワット」フィギュアのポージングもちゃんと武富さん自身が毎回変えてくれています。今期は剣に手をかけています。後ろに置いてある原画も毎回入れ替わってるんですよ?


 というわけで、4カ月にわたったこの展覧会もいよいよ終盤、今のところ巡回の予定はありませんので、ほんとにこれで見納めです。ぜひぜひ、足をお運びください!