『ユリイカ』橋本治特集に寄稿しています
「ハッピィエンドのレシピ-橋本治のマンガ論、その場と文脈」という、この特集の中でも飛びぬけて長い文章を載せてもらっています。
並んで掲載されている藤本由香里さんの「ここからすべてははじまった-橋本治の少女マンガ論」とともに、『花咲く乙女たちのキンピラゴボウ』を中心に、橋本治のマンガ論とはどのようなものだったのかを考える論考になっています。
追悼特集ということで、あまり時間のない中ではありましたが、かなり頑張って書いています。
藤本さんが、この本のジェンダー論としての側面を、リアルタイム読者としての受け止め方を含めて書かれていて、自分はむしろリアルタイム読者でない位置から初出資料にさかのぼって、その位置づけを探り、ジェンダー論として以外の読み方もできることを論じています。
マンガ論の歴史の中で、うまく位置付けられてこなかったように見えるこの本について、相互に補い合いながら論じる試みになっていると思います。
そのほかにも、さべあのま・高野文子・飯田耕一郎座談会や、飯田さん自身による論考など、マンガ論に関心のある人にとって必読の内容になっていると思います。個人的には高山宏先生の文章とさやわかさんの文章もとてもよかったです。