宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

13歳未満のお子さんとポケモンGOを始めようとしている親御さんへ

【この件、2019年8月2日から、PTCアカウントでもナイアンティック・キッズアカウントと同様、親が設定を変更して制限を解除できるようになりました。半ばあきらめかけていたので、対応してくださったナイアンティック社に感謝します。この件に限らず、最近のナイアンティック社のユーザーに対する対応には、極力ていねいに、直接運営側に届くように、要望を述べていくことで改善につながる可能性があるのだと感じさせてくれる事例が、増えていると思います。このエントリそのものは、こういう状況があったことの記録として残しておきます。2019年9月7日追記。】

 

13歳未満のお子さんとポケモンGOを始めようとしている親御さんへ

 

13歳未満のプレーヤー用のアカウントは2種類あります。

1)ポケモントレーナークラブ・アカウント(PTCアカウント)

2)ナイアンティック・キッズ・アカウント

いずれも、親が自分のアカウントを作成した上で、それと紐づける形でアカウントを作成する形になります。

ポケモンGOリリースから2年余りの間は、1)しかなかったのですが、2018年8月に2)ができました。

1)にしても2)にしても、13歳未満アカウントには、大きく2種類の制限があります

A)イオン、マクドナルド、TSUTAYA伊藤園セブンイレブンなどのスポンサーが場所を提供するポケストップとジムにアクセスできない(ゲーム画面に現れない)。

B)フレンド機能全般(他のトレーナーとフレンドになり、ギフトのやり取りや、ポケモンの交換、トレーナーバトル=対人戦をすること)が利用できない。

A)の一番大きな弊害はジムで行われるレイドバトルに参加できる機会が減ることです。特にEXレイドバトルという特別なレイドバトルは大きな公園のジムとスポンサージムでレイドバトルを行うことが、当選の条件になるため、EXレイドバトルへの参加チャンスが大幅に減ります。

驚くべきことに、公式のポケモングッズショップであるポケモンセンターのジムもスポンサージム扱いなので、13歳未満アカウントからは見えません。

また、最近行われている、イオンのショッピングモール内のジムで特定の時間に一斉に伝説レイドバトルが行なわれるイベントなども、一切参加できません。

B)の弊害は、ギフトの交換でもらえる7km卵からしか生まれないポケモン(ロコン(アローラのすがた)など)をゲットするチャンスが全くないことと、ポケモンというもともとのゲームにとって極めて重要な要素であるポケモン交換と対人戦が全くできないということです。

つまり、親子でポケモン交換、親子で対戦、おじいちゃんおばあちゃんと交換…、全部できません。キラポケモン?キラフレンド?何それ?です。

 

2)のナイアンティック・キッズ・アカウントのリリース当初(2018年8月)は、PTCアカウントと同じ状態だったのですが、2018年12月から、A)については親のアカウントからペアレンタルコントロールによって制限を解除できるようになりました。さらに、2019年2月ごろ(というのは公式ツイッターアカウントなどからの告知がなかったため、正確な日付が分からないのです。こちら→ https://meow.gigowat.com/1086/ のブログが3月2日付けなので、その少し前からだと思います。)からは、B)についても同様に制限を解除できるようになりました。

つまり、ナイアンティック・キッズ・アカウントであれば、13歳未満であっても、親が許可すれば、スポンサージムにもアクセスできるし、フレンド機能も使えるようになっているということです。そうすると、親子で交換、対戦、出来るようになります。

しかし困ったことにPTCアカウントからナイアンティック・キッズ・アカウントへとすでに獲得しているXP(経験値)やポケモンを保持したまま移行することは出来ません

つまり、ポケモンGOを初期からプレイしているPTCアカウントの13歳未満トレーナーの方が、ずっと後から始めたナイアンティック・キッズのトレーナーよりもプレイが大幅に制限されてしまって、簡単に言えば損をしている状況です。

小学6年生になったところでフレンド機能が実装され、にもかかわらず自分は使えないということになった次男はそのころから「もういいや」という感じになって今ではすっかり離れてしまいました。今まだ3年生の三男も、フレンド機能が使えるようになるまであと4年も待たないといけない?ということでちょっと嫌気がさしてきているようです。

A)だけが解除できるようになった時点で、私はナイアンティックに以下の問い合わせを行いました。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――

現在12歳の子供がおり、昨年3月からPTCアカウントでプレイしています。

このたび、NianticKidsアカウントではParent Portalからスポンサージム・ポケストップが見られるように設定できるようになったとのことで、今後はPTCアカウントでも同様に設定できるよう検討中とのお知らせを読みました。

これに関して2つ質問があります。

 

1)PTCアカウントでのプレイ履歴(捕獲したポケモン、トレーナーレベル等)をそのまま引き継ぐ形でNiantic Kidsアカウントに移行することは可能ですか?可能でしたらその方法を教えてください。

2)フレンド機能、トレーナーバトル機能についても、同様に親が利用の可否を設定できるようにしていただきたいのですが、そのような検討はされていますか?

 

現状のフレンド機能とトレーナーバトル機能は、対面状況でのトラブルにつながる可能性も低く設計されており、子どもに課金欲求を喚起するような要素もなく、13歳未満トレーナーに対して制限しなければならないリスクはほとんどないと考えます。

我が家のように、子供に自分のスマートフォンを持たせず、プレイする時だけ親の端末を貸している状況では全く不要だと思います。ゲーム内ニュースでは、フレンド機能が始まった時も、トレーナーバトルが始まった時も大々的に告知が出るにもかかわらず、全くプレイができないことに対する子どもの失望は非常に大きいです。親子でポケモン交換や対戦を楽しむこともできません。

ぜひご検討いただけますようお願いいたします。

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

この時の回答は、以下の通りです。

 

 

f:id:hrhtm1970:20181223204253j:plain

 

自動翻訳で日本語を英語化し、それに対する回答をまた自動翻訳で日本語化した感じですが、ともあれ、フレンド機能の解除なんかあり得ないだろ的なニュアンスの回答です。

が、そのほんの数か月後にフレンド機能についての回答は覆されました。しかもナイアンティック・キッズ・アカウントだけに限った形でです。PTCアカウントではA)さえ解除できないままなのに。しかもそうなったことを、ナイアンティックやポケモンGOツイッターアカウントでは告知せずNianticサポートというヘルプサイトの「子供のアカウントでフレンド機能を利用したり、ギフト / ポケモンの交換ができるようになりますか ?」という項目を開くと初めて分かる形でサイレントに変更しています。

https://niantic.helpshift.com/a/pokemon-go/?p=web&s=friends-gifting-and-trading&f=how-can-my-child-access-social-features-such-as-friends-gifting-and-trading&l=ja

というわけで、これからお子さんとポケモンGOを始める方は、必ずナイアンティック・キッズ・アカウントでアカウントを作成してあげてください

困ったことに、公式のポケモンGOサイト(Nianticサポートとは別サイト)の「『Pokémon GO』を始める前に知っておきたいこと」という項目には、ナイアンティック・キッズ・アカウントのことは一切触れられていません。

https://www.pokemongo.jp/faq/

Game Withやポケマピといった主な攻略サイトの初心者向けページにもこの問題についてまとめた記事はありません。

アプリをダウンロードして、素直に公式サイトを読んで登録しようとする人はPTCアカウントで登録してしまうと思います。早急に記述の改善をお願いしたいところです。

こうした状況ですので、大っぴらに言うべきことではないかもしれませんが、もし、お子さん自身には自分のスマホを持たせておらず、プレイする時だけ親御さんのスマホを貸す形にする場合、親御さんご自身はプレイする気がないのであれば、親御さんが取得したアカウントでそのままプレイさせてあげてもいいと思います。A)はそもそも制限の理由が謎ですが、B)は子供が自分で親の知らない所で行うフレンドとのコミュニケーションによるトラブルが起きるリスクに対するものなので、親のスマホでやっているならそのリスクは発生しないと言っていいからです。

実際、うちの子の友達でポケモンGOをやっている子はたいてい親のアカウントでプレイしているので当初から何の制限もなく、フレンド機能も実装当初から楽しめています。その不公平感もうちの子が嫌気がさしている一因です。

おそらく、うちのように親のスマホでやっているにもかかわらず、馬鹿正直に13歳未満用のPTCアカウントを作成して始めてしまい、EXレイドが始まったころには後戻りできないくらいまでトレーナーレベルが上がり、多くのポケモンも捕獲してしまい、フレンド機能実装を喜んだのもつかの間、一切利用できないことに愕然としたというケースは、ポケモンGOのプレイヤー人口の中では取るに足りない程度の数なのでしょう。

ですが、ポケモンGOはいかにもお子さんも一緒に楽しめますよというイメージをプロモーション映像などで打ち出しているわけですから、から、13歳未満アカウントが2種類あり、片方だけが制限の度合いをコントロールできるようになっているなどという状態はあるべきではないと思います。

youtu.be

*フレンド機能実装時のPV。よく見るとよくできてて、子供自身はスマホの操作してないんですよね。一緒に楽しんでるけど、交換してるのは親。

 

サポートサイトには「今後は、ポケモントレーナークラブのアカウントでも利用できるようにしたいと考えています。」とありますが、本気感が伝わりません。一刻も早く、同じ13歳未満アカウント間にある不平等(しかも早くから長くプレイしている方が損をしているという状況)が解消されることを強く強く望みます。

また、この2種類の13際未満アカウントの間の極めて重要な違いについて、公式サイトや攻略サイトでわかりやすい説明がわかりやすい場所に置かれることも、強く望みます。