宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

大阪府立国際児童文学館の存続のため、パブリックコメントをお送りください!

大阪府改革プロジェクトチームに問い合わせて重要な情報を確認しましたので追記しました!(追記部分は赤字で表記してあります)



 色々仕事が立て込んでいて、すっかり出遅れてしまいましたが、大阪府が『大阪維新』プログラム(案)に対するパブリック・コメントの募集を始めています。
 上に掲げている呼びかけチラシは「大阪府立国際児童文学館存続を応援する有志一同」によるもので、白峰彩子さんのブログからいただきました。転載歓迎だそうです。下記のURLからPDF版もダウンロードできます。


http://homepage3.nifty.com/jibun-ouen/kubaru/chirashi20080615.pdf


 このチラシによれば、パブリックコメントの締切は7月14日(月)となっていますが、児童文学館については、「7月1日に始まる府議会の始めの方で議論される可能性が高いので、館の存続を願う方は、ぜひ6月中、早めにお送りください」とのことです。


 送り方、および、そもそも『大阪維新』プログラム(案)とはどのようなものなのかについては、下記の大阪府のページをご覧ください。


http://www.pref.osaka.jp/kikaku/ishin/ishin_pc.html




 ・・・ご覧頂けましたでしょうか?
 何だか分かりにくくないですか?
 何が分かりにくいかというと、上のページの左の方なんですね。
 まず「MENU」として、『大阪維新』プログラム(案)のHTML版とPDF版が掲げられていて、「公表にあたっての知事コメント」や「意見・提言の募集」「お問い合わせ先」と並んでいるわけですが、その下に「LINK」というまとまりもあって、ここに「財政再建プログラム(案)」「重点政策(案)」があり、さらにまた「パブリックコメント・意見募集」というのがあるわけです。
 要するに、「大阪維新プログラム(案)」と「財政再建プログラム(案)」、「重点政策(案)」はそれぞれ別個に独立しているわけです。中身を見ると「大阪維新プログラム(案)」が全体を支える基本方針であり、「財政再建プログラム(案)」、「重点政策(案)」はそれを具体化したものという関係になっています。
 実際、「大阪維新プログラム(案)」には「財政再建プログラム(案)」、「重点政策(案)」それぞれの一部が抜粋されていたり、それぞれを参照するよう求めたりしています。
 4月に出た改革プロジェクトチームによる試案「財政再建プログラム試案」(いわゆるPT案)を改訂したのが、「財政再建プログラム(案)」で、「大阪維新プログラム(案)」の方は今回初めて示されたわけです。
 で、一見すると「MENU」の方にある「意見・提言の募集」は、「大阪維新プログラム(案)」に対する意見・提言、「LINK」の方にある「パブリックコメント・意見募集」は、「財政再建プログラム(案)」と「重点政策(案)」に対する意見・提言、を、それぞれ求めているように見えるわけですが、実際には、どちらもリンク先は結局同じです。
 そうすると、今回、求められている「大阪維新プログラム(案)」に対するパブリックコメントというのは、この三つの「(案)」のすべてに対するものなのか、基本方針としての「大阪維新プログラム(案)」に限定しているのかがよく分からない、ということなんです。


【追記】→この件確認しました。「財政再建プログラム(案)」と「重点政策(案)」は、全体としての「大阪維新プログラム(案)」の「枝」に当たるものなので、すべてに対してコメントしてよいとのことです。
 したがって、大枠としての方針だけでなく、「財政再建プログラム(案)」やその「資料」の具体的な記述にまで踏み込んで意見・提言を出してよいそうです。


 なぜこんなことにこだわるかというと、二つ理由があります。


 ひとつは、上のページの下の方にある「ご意見・ご提言をいただく上での留意事項」に、「意見提出用紙1枚につき1項目でお願いします。」という指定があるため、パブリックコメントを出す側は、この全体として膨大な分量の三つの「(案)」の中のどの項目について、意見・提言を出しているのかを明確にしないと、そもそもきちんと扱ってもらえない可能性があるからということ。こっちは児童文学館のことしか考えずに送っても、向こうは様々な項目についての膨大なパブコメを、それぞれどの項目についてのものなのか整理しなければいけないわけですから、これはやはり明確にして送るべきでしょう。その点、今「児童文学書評」に「パブリックコメント集」として掲載されている、実際に送られたパブコメの例は、初めに児童文学館についての意見であることを宣言してから書かれてはいないものも少なくないので、ちょっと心配です。


→この点も確認しました。具体的に何ページの何という項目について、と最初に明確にしていただければ整理はしやすくありがたいけれども、そうでなければ受け付けないというようなことはないとのことです。きちんと目を通すのでどの問題についてか分かるようにさえ書かれていれば、たとえば何という施設の廃止には反対であるとか逆に廃止でよいとか言った書き方でその理由を明記してもらえれば大丈夫だそうです。実際そういう書き方のコメントが大半だそうです。
 したがって、「一項目」というときの「項目」は「(案)」の「4−5出資法人」といった単位ではなく、一つの施設の存廃の問題、というようなまとまりで考えていいということです。
 私が下に書いたように、細かく各項目に分けてちまちま意見を述べなくても、大きく児童文学館の存廃について、というまとまりで、各案に少しずつわかれて述べられていることに触れながら意見を展開していいわけです。


 もう一つは、もし三案すべてについて意見・提言を出してよいのであれば、まず大枠の議論として「大阪維新プログラム(案)」中の「4−5出資法人」と「4−6公の施設」の2項目について、二つの意見・提言を出し、その上で、さらに踏み込んだ具体的な議論として、「財政再建プログラム(案)」中の「出資法人」や「公の施設」の児童文学館についての項目についても意見・提言を出す、というようなことも、可能かもしれないからです。
 ホームページ上からの送信フォームでは全角文字で999字という制限がありますし(なんで?字数制限なんてしていいんでしたっけ?)、記入用紙も記入できる欄が小さいので、あまり多くのことを述べることができなくなっています。いろいろなことを言いたい場合は、それぞれの案のそれぞれの項目について意見・提言を出すことで、全体として多くのことを言うのを可能にする、という作戦がありうるのではないかと考えられるのです。


→この点も確認しました。特に重要な情報が得られました。
 送信フォームに999字という制限があるのはシステム上の問題なので、意見提出用紙に記入して郵送またはFAXする場合は字数は気にしなくてよい。一項目について用紙を何枚使ってもらってもかまわないとのこと。
 それからさらに重要なのは、送信フォームからの送信でも、999字を超える場合は、2通3通にわたって送信してよいということです。
 規定通り氏名・住所等の必要情報を明記してあれば、同じ人から来たものであることは確認できるので、意見・提言を書く欄にたとえば1通目には「999字を超えるので3通にわたって送信します」と明記し、2通目には「○○についての意見の2通目です」、3通目には「○○についての意見の3通目です」などとそれぞれ初めに明記してもらえればよい、とのことでした。
 マジっすか!?って感じですよ。今までみんな必死で999字に収めようとしてたのに!
 あと、全角で999字という制限の字数には改行コードも含まれるようです。文字自体は997字しかないのにエラーが出て送れない、というような場合は改行を3回以上している可能性があります。改行をやめて1通にまとめるか、いっそ2通、3通にわたって書くか、ですね。


 意見・提言が、三案すべてについて求められているのか、おおもとの「大阪維新プログラム(案)」についてのみ求められているのかは、今日、電話で問い合わせてみて結果をここで報告します。


→確認した結果、下のいちいち分けて書く作戦は不要であることが分かりましたので、消しておきます。

 いずれにしても、私としては、さしあたり、


1)「大阪維新プログラム(案)」中の「4−5出資法人」についての意見・提言として、財団法人大阪国際児童文学館の「抜本的見直し」(これも「廃止」とどう違うのかよく分かりませんが、「財政再建プログラム(案)」の方を見ると、「必要な事業は府で実施」、「府からの委託は廃止」、「府は県職員は引上げ」とあるので、実質「廃止」ですよね。「必要な事業」はやらせてもらえない、委託はしてもらえない、府の職員は引き上げられて、財団だけ残るなどというわけのわからない状態はありえないでしょう)に対して研究機能の保持の観点から反対し、


2)「4−6公の施設」についての意見として、まず大阪府立国際児童文学館の「廃止」(こっちは「廃止」なんですよね。「施設」としては「廃止」で財団は「抜本的見直し」っていう文言の使い分けの意味が全然分かりません)に資料の府立図書館への移転の問題の観点から反対し、


3)さらに大阪府立中央図書館の「集約、多機能化」についても、受け入れ能力やコストの問題が明らかにされていないという点から反対する、という三つの意見・提言を出し、さらに、


4)「5−1大阪ミュージアム構想」についての意見・提言としてここに万博記念公園を組み込み、児童文学館を組み込むことを求めたい


と考えています。
 
 こういうやり方が一般的に「いい」のかどうかわからないのですが、「意見提出用紙1枚につき1項目でお願いします。」とあって「用紙が足りない場合は、お手数ですがコピーしていただきますようお願いいたします。」とあるからには、複数の項目についてそれぞれ意見・提言を出すことは認められているはずです。なら、とにかくやれるだけのことはやってみようということです。
 これからパブリックコメントを出そうとお考えのみなさんも、こうしたやり方で、論点を絞りつつ、なるべく多くの意見を出せるように工夫してみていただければと思います。

 それから、パブリックコメントでは言い足りない、また、府議会での議論にももっと意見を出したい、という場合は、府議会の教育文化常任委員会所属議員に対して、意見を送るという方法もあります。


大阪府議会・教育文化常任委員会所属議員一覧
http://www.pref.osaka.jp/gikai/giininfo/iinkai/kyoubun.html


議員サイト一覧
http://www.pref.osaka.jp/gikai/link/link.html


 今のところ、府議会は、自民、公明の与党会派も、民主、社民、共産の野党会派も、すべて、温度差はあるものの児童文学館は当面現状のまま存続という対案を出しています。これをぜひ強く後押しする意味でも、議員さんたちへの意見の送付は有効ではないかと考えられます。これは、特に選挙権を持つ大阪府民の方の意見が重みを持つと思いますので、大阪府民で存続を願われる方は、ぜひよろしくお願いします。