宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

トークイベント「原作者・久住昌之が語る「孤独のグルメ」と谷口ジロー」

 畑中さんの葬儀の後、大学に寄って着替えて、上の三つのエントリを書いた後、米沢嘉博記念図書館へ移動。「『孤独のグルメ谷口ジロー原画展」の関連イベントとして開かれた久住昌之さんのトークに。いや、これがもう、めっちゃ面白かった!


 お話は谷口ジローがいかに作家としてかっこいいかって話から始まりました。谷口さんは、すごく作画にこだわるが、雑誌掲載時の原稿を、単行本にする際に直したりは一切しない。そんな時間があるなら新しいのを描く、とおっしゃるとかですね。確かにこれはしびれます。
 そして、原作者としての久住さんがどのように取材をして、お店を見つけているかなどの話へ。事前にネットの情報とかは一切見ないで、自分でぶらぶらして自分の目で面白いものを見つけるのが重要。ってことで、ちょっと横道にそれて散歩中に見つけた面白いもののスライドが披露され、でも、こういう視線があるからこその、「孤独のグルメ」なんだなって言うのが実感されました。てか、もうそのスライドが面白いこと面白いこと。「今どきの若い地蔵」とか爆笑してしまいました。


 そしてまたさらに谷口さんとのお仕事の具体的な作業について、泉晴紀さんと組んだ泉昌之でのお仕事や、弟さんと組んだQ.B.B.でのお仕事の場合と比較されながら、お話しして下さいました。これはここだけでしかお見せしませんが、っていう画像も多々あり。


 と、単純にマンガ論的にもすごく興味深い内容で、しかも、とにかく話がうまくて面白いので、聴衆のみなさんも感嘆と笑いの連続でした。今回30名限定の予約制にしたこともあってかおいでの聴衆のみなさんの「孤独のグルメ」に対する理解度も深くて、打てば響く感じがすごかったですね。 


 90分余りたっぷり話して下さった上で、さらに「おまけ」としてテレビドラマ版「孤独のグルメ」のサウンドトラックを担当した久住さんご自身のバンド、The Screen Tonesから、サックスのフクムラサトシさんがリコーダーを吹きながら登場。久住さんのギター、福村さんのソプラノサックスで「Stay Alone」を演奏して下さいました。この曲ですね。



 久住さんの「いっのっがしっらっ」に、みんなが、「フー!」と応えるコール&レスポンスも決まって、なんつーか完璧なトークイベントは幕を閉じたのでした。


 終わった後の打ち上げにもおいでいただいて、たくさんいいお話しをうかがえて、すごく幸せな時間を過ごさせてもらいました。久住さん、ありがとうございました!