宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

今日の寝る前の本

 図書館で借りてきたこちらを、次男朗読、長男もかあちゃんも三男も一緒に聞きました。

おめでとう

おめでとう

 なんと茂田井武(もたい・たけし)の絵本。『キンダーブック』の1957年(!)1月号に出た「おめでとう」を遺族の了解を得て再構成したものとのこと。
 再構成というのがどういうものなのか、よくわからないのですが、おそらく、キンダーブックとは判型が違うので、基本的にはレイアウトとページ割の変更ではないかと。広松由希子氏の文章も、著者が1963年生まれであることから、当然初出時とは違うのだと思いますが、どれくらい違うのかは分かりません。
 いろんな動物たちと世界各地の民族衣装を着た子供たちが、お互いに「おめでとう」と言ってあいさつしたりにこにこしたり手をつないだりする様子が続いて行くシンプルな構成なんですけど、これは、いいなあ。
 茂田井武の絵がもう、やっぱり素晴らしいし、猫と猫がおめでとうと言い合ってる絵に、手書きで「にゃんともめでたい」「おめでにゃー」とか書かれると、もう無条件でうれしい。広松氏の文章も、シンプルでいいです。
 巻末に掲載されている茂田井武の文章も、素晴らしいので、思わず全文引用してしまいます。

自分一人が幸福になることを念(おも)ったり、
自分の家のものが幸福になるのを念(おも)ったり、
自分の国が幸福になるのを念(おも)ったりするような、
たとえばそんな小さな念(おも)いではなく、
全世界、全宇宙、さらにもっともっときりのないものの
幸福をこそ念(おも)いたい。


 いやー、これほんといい絵本です。長男もかあちゃんも、もちろん次男もすっかり気に入りました。最後のページに「   ちゃん おめでとうございます」と「ちゃん」の前を空白にした手書きの文字もあるので、そこにこの本をあげる子の名前を書けば、すてきなプレゼントになる趣向。そのうち買っちゃおうかな。