宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

ミヤモトは1年ぶりに博士論文に手をつけた!

 だが、課程博士の学位(博士(甲))を取得するためには3月末までに論文を提出しなければならない!
 しかも、正式に論文を提出するには、その前に全体を指導教官ともう一人の教官に通読してもらい、ゴーサインを出してもらわなければならない!
 そのための草稿の提出の締め切りは3月16日!貴重な春休みに1500枚を超える論文を特別に短期間で読んでやろうと言ってくれる指導教官に感謝!
 にもかかわらず、まだ草稿は完成していない!それどころか、あと200枚ほど書かなければならない!
 どう考えても無理!いまだ五月雨式に襲い掛かる雑務と会議!雑務と雑務と雑務と会議!泣き叫ぶ子供!(これは誇張!)目が据わっている妻!(これももちろん誇張!)
 一刻も早く博論にと、猛然とわんこそば仕事を片付けるため、風邪を引いた後も平均睡眠時間は4時間弱!目の下は毎日真っ黒だ!どう考えても無理!死ぬ!死にかける!大体満足の行く論文になるわけないじゃん!




 ……そうなんですけどね。でもやっぱり博士課程に入ってから、10年にわたってやってきた仕事なわけですよ。これがあるからと言って、次の春には出来上がるからと言って、周りにいろんなわがままを言って、迷惑を掛けてきたわけですよ。それでも期待して期待して期待してくれてる人が、世の中にほんの一握りだとしても、いるわけですよ。貴重なお話をうかがわせてもらったのに、それを活かしたものが完成する前にお亡くなりになられた方もいるわけです。家族4人安定した生活ができるお給料で雇ってくれてるところの仕事を最優先しないといけないのはもちろんですし、それだけでなく、自分なりに「大学」かくあるべし、「大学教員」かくあるべしという理念を実践的に守らなければというのもあって、現にそうしてきましたが、その結果、生計を立てるのもやっとな頃に、精神的に支えてくれた人たちの期待を引っ張るだけ引っ張っといて、やっぱ無理だったんでゆっくり論文博士を目指しますっつーのは違うだろ、ていうか、それは結局、この10年の自分に対する裏切りじゃん、と思うわけです。
 なので、あと10日間、削れるだけ睡眠時間を削って、でも寝込まないようには注意して、でもほんっとの最低限の家族とのコミュニケーションは保ちつつ、雇い主が求める仕事も文句言われないレベルでこなしつつ、できるだけのことをしたいと思います。それでダメなら、ごめんなさい、ミヤモトはその程度のやつだったということです。10年の宿願も果たせないヘタレとして、それでもしつこく生きて行かせていただきたいと思います。自分がこれほどまでに生活の設計において無能だとは思ってませんでした。砂をかむような思いの毎日に、明るく別れを告げるつもりだったのに、痛恨の、痛恨の極みです。

 そんなわけで、結果どうなったかは16日に!