宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

朝日カルチャーセンター新宿教室で講義をさせてもらいます

http://www.acc-web.co.jp/sinjyuku/0607koza/A0102.html# 
 9月の初め、白百合女子大学で集中講義があるので、その狭間の土曜日にやらせていただきます。ちょっとお高いですが、見られる図版のレア度など考えますと、興味のある方には損のない内容になるかと思います。
 上のページのリンク先ではごく簡単な内容紹介しかないのですが、僕が自分で書いたものを使って、担当のYさんが作ってくださったリーフレットの内容を、以下に貼っておきます。

公開講座
手塚治虫とそれ以前―〈子供マンガ〉から〈少年マンガ〉へ―
 講師  北九州市立大学助教授  宮本 大人
 手筭治虫の特徴の一つとして、よく指摘されるのが、キャラクターの「成長」を主題化したことである。「子供」と「大人」の間、思春期、青年前期の「少年」の「成長」をマンガで、リアルに描こうとしたというのである。しかし、キャラクターの「成長」がマンガの主題になったのは、手塚の登場以前、戦時下の出来事であり、そこには、子供マンガに対する「教育的」な視線と「戦時下」という状況とが密接に関連している。
 本講座では戦時期の子供向け物語マンガにおける「成長」の描かれ方を紹介・検討しつつ、手塚の位置づけを再検討しようとするものである。 (講師・記)

<講師紹介>宮本 大人(みやもと・ひろひと)
1970年和歌山県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位修得退学。日本学術振興会特別研究員。明治学院大学白百合女子大学東京工芸大学文教大学帝京平成大学非常勤講師を経て現職。マンガ史研究。「ユリイカ」「ダヴィンチ」などに寄稿。共著に『マンガの居場所』(NTT出版)。論文に「ある犬の半生―『のらくろ』と〈戦争〉―」(『マンガ研究』2号)など。

日    程  2006年9月2日
土曜日 15:30〜17:30   
受講料(税込み)  会員 2,730円  一般 3,250円(入会不要)
場    所  新宿住友ビル7階 朝日カルチャーセンター(申し込みは4階受付)
※お申し込みの際にご記入いただく皆様の個人情報は、受講連絡をはじめ当社からの各種お知らせ、講座企画の内部資料として使わせていただきます。
※講師の病気や受講生が一定数に達しない場合などには、やむを得ず講座を延期または中止することがあります。

朝日新聞の文化活動 朝日カルチャーセンター
〒163−0204 新宿住友ビル私書箱22号
新宿区西新宿2-6-1 ℡ 03-3344-1998 (教養二科直通)
インターネット情報接続先 http://www.acc-web.co.jp

 
 〈子供マンガ〉と〈少年マンガ〉という対比は、実は今回この講座をやるに当たって、タイトルを考えているときに思いついたもので、あんまり練り込んだ概念にはなっていません。内容的にはすでに博士論文の一部として、執筆済み(未発表、去年の東大の集中講義では話しました)のものを使いますが、要するに、そこに出てくるある年齢の登場人物を、ただ〈子供〉として描くか、成長してゆきつつある、つまり刻々と〈子供〉でなくなりつつある、あるいはそのような可能性をはらんだ、存在として描くか、という対比を、〈子供マンガ〉と〈少年マンガ〉という言い方で表現できるかな、ということです。
 ぜひ多くの方に足をお運びいただければ幸いです。

 あ、最後に