宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

講演会「薄れてゆく輪郭—児童読物統制下における子供向け物語漫画の変容—」@白百合女子大学、でした

 2時間講演30分質疑、のはずでしたが安定の時間オーバー(笑)。2時間半ちょっと過ぎたとこで講演が終了。そのあと20分余り質疑、という感じでした。
 申し込み締め切り直前にまとまった宣伝ツイートをしたところ、岩下朋世さんが速攻でまとめを作ってくれたおかげで


http://togetter.com/li/942247


 かなり情報が拡散したようで、受講者数も少し増えてよかったです。
 みなさん熱心に聞いてくださってありがとうございました。講演終了後、まさかの花束までいただき、もしやこれで白百合でのお仕事引退?と不安になりましたが(笑)、単に白百合らしいお気遣いでした。
 10年ちょっと前、2年生向けの基礎演習というゼミを持っていた時の学生さんたちも来てくれて、お話しできたのも嬉しかったです。 

 
【以下はイベントの告知として載せていたものです】


 昨年いったん延期になっていた講演会を2月にやることになりました。


 非常勤講師として長年お世話になっている(今年で19年目!)白百合女子大学の児童文化研究センターで、昭和13(1938)年の「児童読物改善ニ関スル指示要綱」以降の子供向け物語漫画の変容について、講演をさせていただきます。

題目:薄れてゆく輪郭—児童読物統制下における子供向け物語漫画の変容—


講師:宮本大人氏(明治大学国際日本学部准教授、白百合女子大学非常勤講師)

日時:2016年2月27日(土)13:30〜16:00


会場:白百合女子大学 R.2007教室(2号館地階)


対象:白百合女子大学学部生、大学院生、教職員、および講演会に関心のある外部の方


申込:学内・学外を問わず、事前にお申し込みが必要です。
児童文化研究センターへ、メールか電話でお申し込みください。

締切:2016年2月25日(木)17:00
※定員になり次第、締め切らせていただきます。

お問い合わせ:白百合女子大学児童文化研究センター
Tel 03-3326-7994
E-mail jido-bun@shirayuri.ac.jp


http://www.shirayuri.ac.jp/childctr/study/index.html


 ということで、無料ですが、キャンパス内に修道院もある女子大学ですので、事前申し込みが必要です。ご興味おありの方は、お手数ですが、よろしくお願いいたします。


 内容的には、昨年の早稲田大学でのイメージ文化史ワークショップや明治大学リバティアカデミーの赤本漫画講座の延長上のお話になります。
 「薄れてゆく輪郭」というのは、指示要綱以降、子供向け物語漫画の表現が写実性を高める方向で大きく変容し、描線が変わり、フキダシがあまり使われなくなり、コマの枠線も減り…、といった画面上の様々な輪郭線が薄れたりぼやけたりしていったこと、さらにテーマにおいても当時の児童文学に接近していったこと、そうした一連の変化の結果、ジャンル自体の輪郭もぼやけてゆくこと、などを指しています。
 戦争の進行とともに、ある面では表現が深まっていく一方、ジャンル全体としては「蒸発」していくという、一筋縄ではいかない経緯を追ってみたいと思います。