宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

2006-02-26から1日間の記事一覧

以下は

蛇足的補足です。 リーフレットによれば、今回復元されたこの「バクダット姫」は、全8巻だったとされる公開当時のヴァージョンとは違い、全6巻にまとめられた再編集版のようです。たしかに、途中から説明もなく急にペルチャ王子がいなくなったり、アーメッ…

さて、

このいささか強引に面白さを優先したような議論は、もちろん、「監督・芦田巖」の「意図」を推定するようなものではありません。作品は、作り手の手を離れてある歴史的文脈の中に置かれたとき、「作者の意図」を超えたり逸脱したりするような意味を、帯びて…

そんなわけで、

「戦後初の」とは言っても、「戦後」だからこそ実現できた、日本のアニメーション史上「初の」何かがあるのかと言えば、多分ないと言わざるを得ない作品ではあると思います。日本のアニメーションは昭和14=1939年の映画法施行後、戦時文化統制の下で…

とはいえ、

それでもなお、この作品、50分間飽きずに見ることができました。むしろ上に述べてきたような単純明解さが、いいんですね。とにかく一つ一つの場面ごとに、キャラクターのアクションで楽しませようというエンタテインメント性は、たっぷりあるわけです。芦…

専門家ではないので

恐る恐る書きますが、アニメートの技術的な側面についても、特に革新的なものはなかったと思います。芦田巖の戦前・戦中の作品の水準で作られているといってよく、従って、昭和18=1943年の「くもとちゅうりっぷ」(政岡憲三)や昭和20=1945年の…

お話は、

いたってシンプルです。バクダットの王様が娘(バクダット姫)に婿選びをさせようと、武力に秀でたモンゴーロ王子と、財力に秀でたペルチャ王子を紹介するのですが、姫にはすでにアーメット王子という意中の人がおり、困った王様は予言者に相談します。予言…

そんなわけで「バクダット姫」

見てきましたよ。 いやあ、予想以上に面白かったです。なにせ昭和23=1948年公開の作品ですから、正直言って、当時の事情を知っておくための「資料」を見に行くのに近い感じで行ったんですが、普通に楽しめました。ま、「普通に」っつっても、一昨年の…

今日は

昼から福岡市総合図書館の「シネラ」へ映画を2本見に行きますんで、ちょっと早めに寝ます。 “戦後初の劇場用長編”アニメーション映画「バクダット姫」と、「ハナログ」および「夏目房之介の「で?」(2005年8月16日のエントリ)」で話題騒然となった…