宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

お話は、

いたってシンプルです。バクダットの王様が娘(バクダット姫)に婿選びをさせようと、武力に秀でたモンゴーロ王子と、財力に秀でたペルチャ王子を紹介するのですが、姫にはすでにアーメット王子という意中の人がおり、困った王様は予言者に相談します。予言者は、難関を越えて象牙の小箱を手に入れて、持ち帰ったものを婿に、と言います。かくして三人の王子は炎を操る悪魔や恐竜の待ち受ける地へ…といった具合です。
基本的にはいわゆる「串ダンゴ形式」のシンプルなストーリーラインで、アーメット王子が困難に出会う→乗り越える→別の困難に遭遇する→乗り越える…の繰り返しですが、途中でモンゴーロ王子が小箱をあきらめて、姫を強奪しようとバクダットへ引き返してしまうため、アーメットの戦いの場面と、モンゴーロ王子の軍隊に襲われるバクダット城の場面が交互に示されるようになったり、アーメット王子の戦いが、最初のそれから最後のそれに向って次第に大掛かりなものになっていくなど、一応「長篇」作品としての構成が工夫されていると言えるでしょう。