宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

昨日は青梅の赤塚不二夫会館と八王子の水木しげる展を

 ゼミ生とはしごしてきました。
 一日遅れですが、簡単に。
 2学期はなんだか全く時間が取れなくて、学生連れて展覧会見に行くことができておらず、年が明けてからもまた行けそうにないので、強引に年末に組み込んでみた訳ですが、2年のゼミ生15名、3年のゼミ生17名、合わせて32名中、参加者3名。嫌われてんのかってレベルの参加率でした。いや、日程自体に問題ありすぎなんで、しょうがないんですけど。動きやすい人数だし。
 
 青梅駅周辺は昭和レトロを売りにしていて、串間努氏が名誉館長を務める昭和レトロ商品博物館を中心に、赤塚不二夫会館、昭和幻燈館と、三つの、民家や蔵を改装したミュージアムがあり、商店街全体も、実際かなり古い商家や民家や蔵が目立ち、そこに加えて映画看板が至る所に掲げられているので、なかなか楽しい街並みでした。

 右が昭和レトロ商品博物館、左が赤塚不二夫会館。

 道を挟んで向かい側には、ちょっとユニークな公衆電話ボックスがあったり。

 昭和幻燈館。二階のベランダに洗濯物が干してあります。

 赤塚会館に掲げられてる「猫かいぐり公園」が気になって、探し回ったものの見つからず。猫かいぐり公園こっち、的な簡単な案内板はいくつもあるのに、実際にはDSやってる男子三人組がいる駐車場とかしかなく。あとで聞いたら猫がいなくなったので公園もなくなり、近くの住吉神社に猫神社が出来たので見に行ってやってください、と言われました。猫神社。今度来た時、行こうと思います。
 ていうか、青梅、いたるところで猫の街イメージを押し出してるのに、昨日3時間以上ぶらぶらする間一度も猫に会いませんでした。それは、ちょっと、どうにゃんでしょうか。
 そんで、まあ、昼前に青梅に着いて、一通り昭和レトロエリアをぶらぶらした後、まずは昼めしだってことで、空き店舗を改装して近所のおばさんたちが始めました的な「あかねぐも」っていうカフェで、けんちん汁&おにぎりセット500円、などをいただいたんですが、これが思いのほかおいしくて、お得でした。
 そしてさらに、今商店街で歳末福引抽選やってるからと、5枚で1回福引が引ける券を、4枚しかもらえない飲食しかしてないのに、「もう今日で最終日だから」と5枚もらい、昨日までの時点で特等のテレビ6本が1本も出てない、という情報ももらったりして、当たっちゃうんじゃねーの?とか言いながら、抽選会場までてくてく歩いて行ったところ…

 一等の新潟産こしひかり5キロが当たってしまいました。何この展開。

 一等以上の人は名前が張り出されるので、当然、「明治大学宮本ゼミ」と書いてもらい、

 記念撮影。他のお客さんがいないのをいいことに、要求し放題の我々に、快く対応してくださった青梅商店街のお二人、ありがとうございました。そして「あかねぐも」のお店の方もありがとうございました。お米は、その後ゼミ生男子が腕ちぎれそうになりながら、延々と持ち歩いて、持ち帰りました。
 そんなこんなで、実際の展示を一つも見ないうちに、かなりおなかいっぱいな感じになりつつ、まずは昭和幻燈館から見て行きました。

 ここは映画看板と、昭和の情景を再現したジオラマの展示。ここに限らず、3館とも館内撮影可です。あ、赤塚不二夫会館の2階に展示されてる原画は不可です。

 祭の見世物小屋など。楽しい楽しい。
 お次は赤塚不二夫会館。

 ま、やらないわけにはいきません。靴下びろーん、まで再現してみましたが、こうやってみると、腕も足も、もっと鋭角にしないといけませんね。修行が足りませんでした。

 トキワ荘の赤塚部屋の再現もありました。ちょうど西日が射してていい感じ。

 特に何も言わなくてもシェーする、できる子たち。
 続いて最後は昭和レトロ商品博物館。ここが受け付け。座ってるのが受け付けのおじさん。

 こんな感じで、串間努氏や町田忍氏の本が好きな人は、やっぱり一度は来る価値ありでしょう。 

 コカコーラコレクションなどもあり。

 で、ここの2階が「雪女の部屋」。

 なぜに?と思ったんですが、小泉八雲の『怪談』に出てくる雪女の話は、青梅の雪女伝承が元になっているから、とのことでした。
 というわけで、青梅、3時間はたっぷり楽しめます。また学生連れてこよう。
 その後、青梅線と中央線を乗り継いで八王子に移動。八王子夢美術館で開催中の「水木しげる ゲゲゲの展覧会」へ。

 ま、ここでも撮ります。
 展示は、夏に松屋でやってた「ゲゲゲ展」と違って、「妖怪道五十三次」のシリーズなど、とにかく妖怪画をたくさん展示してありました。ただ、図版のキャプションが、水木サン自身の著述から抜き出した妖怪の解説ばかりで、その絵がいつどこに発表されたものかの情報さえなく、研究者的には、ちょっと拍子抜けしました。
 マンガ作品の原画はほんの少しで、あと、長井勝一記念美術館からの協力貸し出しによる水木サン作品掲載時代のガロの現物がたくさんと、掲載作品の図版パネルがあって、そちらも、個々の作品の書誌データはほとんどないのに、ガロ自体に関する解説は妙に詳しかったりして、ちょっと、うーん、という感じでしたが、ま、そんなことも、水木サンの絵を見ていると、どうでもよい瑣末なことのように思えてくるのだから、不思議なものです。
 展示見終わった時点でもう18時だったので、女子二人はそのまま帰宅、男子一人と吉祥寺に移動、飯を食いながら、吉祥寺でバイトしてる別の3年女子一人をバイト終わりで呼び出したりして、23時ぐらいまでまったり話して解散したのでした。