宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

江口寿史展 KING OF POP Side B@明治大学米沢嘉博記念図書館&関連書籍情報

【会期終了の日付で載せています】


 明治大学 米沢嘉博記念図書館で、2015年10月9日から「江口寿史展 KING OF POP Side B」が開催されます。ミヤモトが、ヤマダトモコさんと、有志の学生達に手伝ってもらいながら、展示の構成を行っています。



■会期:2015年10月9日(金)〜2016年2月7日(日)
■場所:明治大学米沢嘉博記念図書館 1階展示室
 〒101-8301 東京都千代田区猿楽町1-7-1
■TEL:03-3296-4554
 http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/
■休館日:毎週火・水・木曜(但し祝日の場合は開館します)、
     年末年始(12月24日〜1月7日)、1月17日
※特別整理などで休館する場合があります。
当館HP、もしくは開館日に電話にてご確認ください。
■開館時間:月・金14:00〜20:00、土・日12:00〜18:00
■主催 明治大学 米沢嘉博記念図書館
■特別協力:玄光社、フリースタイル


■概要
 King of Pop。江口寿史は、1977年のデビュー以来、30年以上にわたって、いつもその時代ごとの〈ポップ〉を形にし続けてきました。幅広く愛されるポピュラリティを持ち、それでいて、時代の先端ではじける軽さを兼ね備えること。『少年ジャンプ』の人気作家であることと、サブカルチャーの最先端に位置することを両立させられる稀有な資質を持つ作家だといえるでしょう。
 米沢嘉博記念図書館では、川崎市市民ミュージアムなどを巡回する「江口寿史展 KING OF POP」のSide Bとして、会期を4期に分け、合計約100点のマンガやイラストの原画に加え、初出誌や関連資料を多く用いて、それぞれの仕事が置かれた時代の文脈を見ていきます。江口寿史の〈ポップ〉はどのような時代の気分の中で形作られ、またどのように時代の気分を形作ってきたのかを探っていきます。


■展示構成と展示替会期
第1期 1st stage
それは『ジャンプ』から始まった  10月9日(金)〜11月3日(火・祝)
第2期 2nd stage
『ひばりくん』と白いワニ  11月6日(金)〜11月30日(月)
第3期 3rd stage
時代の気分を〈編集〉する  12月4日(金)〜12月23日(水・祝)
第4期 4th stage
This is Rock! ―江口寿史と音楽―  1月8日(金)〜2月7日(日)


※2階閲覧室に関連書籍コーナーを設置します



江口寿史(えぐち・ひさし)プロフィール
1956年生まれ、熊本県水俣市出身。
1977年、『週刊少年ジャンプ』に「恐るべき子供たち」でデビュー。「すすめ !! パイレーツ」「ストップ !! ひばりくん!」などギャグマンガで大ヒットを飛ばす一方、イラストレーションでも高い評価を受け、ファミリーレストランデニーズ」など広告での起用も多数。38年間の画業を集大成した画集『KING OF POP』(玄光社)を9月に刊行。また、『江口寿史の正直日記』の文庫版(河出書房新社)も好評発売中。



【関連イベント】


(1)集英社歴代担当編集者、江口寿史を語る
出演:渡辺彰則、鈴木晴彦、堀江信彦
日時:2015年10月11日(日)16:00-17:30
場所:明治大学米沢嘉博記念図書館 2階閲覧室
料金:無料 ※会員登録料金(一日会員300円〜)が別途必要になります 


(2)江口寿史、音楽とマンガを語る
出演:江口寿史(マンガ家)
司会:宮本大人明治大学准教授)
日時:2015年11月7日(土)16:00-17:30
場所:明治大学リバティタワー 6階 1063教室
料金:無料 



(3)河崎実監督が語る、江口寿史のすべて
出演:河崎実(映画監督)
日時:2016年1月23日(土)16:00-17:30
場所:明治大学米沢嘉博記念図書館 2階閲覧室
料金:無料 ※会員登録料金(一日会員300円〜)が別途必要になります




 米沢嘉博記念図書館ホームページでの告知はこちら。チラシのPDFのダウンロードができます。
http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-eguchihisashi.html


 ツイッターでいただいた感想は随時こちらにまとめています。


http://togetter.com/li/886025


【同時期開催】
江口寿史展 KING OF POP』
2015年12月5日(土)〜2016年1月31日(日)
主催:川崎市市民ミュージアム

38年間の画業を集大成した画集『KING OF POP』(玄光社)の刊行を記念し、
懐かしのマンガ作品から最新作のイラストレーションまで300点以上の原画(高精度デジタル出力含む)を一堂に集めた大展覧会を開催します。Twitterで話題を巻き起こした「5分間スケッチ」の実演も予定!
※詳しい情報は川崎市市民ミュージアムホームページにて随時発表
●会場:川崎市市民ミュージアム 企画展示室 1
〒211-0052 川崎市中原区等々力 1-2
TEL 044-754-4500
http://www.kawasaki-museum.jp/

●休館日:毎週月曜日(ただし1月11日は開館)、12月24日(木)、12月29日(火)〜1月3日(日)、1月12日(火)
●観覧料:一般…700円(560円)
 大学生・高校生・65歳以上…600円(480円)
 中学生以下は無料
 ※()内は20名以上の団体料金
●交通 :JR・東急「武蔵小杉駅」からバスで約10分

■2館鑑賞でプレゼント!
川崎市市民ミュージアムのチケット半券、または米沢嘉博記念図書館の観覧証明書を、もう一方の館でご提示いただいた方にオリジナル・クリアファイルプレゼント!
※お1人様1枚。数に限りがあります。(なくなり次第終了)
※詳しい情報は各館のホームページで随時発表


【1月18日追記】
 ふと気づけば第4期もあと3週足らず。ツイッターでの告知はそれなりにマメにやってきたのですが、その分ブログではイベントの告知もご報告も全くできずじまい。
 

 毎月総入れ替えで展示替えするというのは「武富健治の世界」展以上にハードな試みで、自転車操業もいいところでしたが、自分史上最高のキュレーションができたという自負はあります。
 会期残りわずかですが、音楽テーマの第4期は、展示の参考資料としてミヤモト&江口さん選曲の楽曲も会場で再生してますので、ぜひぜひぜひ、足をお運びいただければと思います。


 そして、この展覧会に関連して、いろんな本が出ています。



 このエントリ書いたときはまだ出てなかった画集、これがベースで、北九州→川崎→そして全国数か所と巡回する展示ができています。今すでに情報オープンになってるのは夏の京都国際マンガミュージアムです。


装苑 2016年 1月号

装苑 2016年 1月号


 小特集ですが、装苑らしい切り口でいい江口特集になってます。二階堂ふみさんなどのコメント、福田里香さんによるファッションに焦点を合わせた江口さんインタビュー等。ミヤモトも1ページテキスト書いてますんでぜひぜひ。


芸術新潮 2016年 01 月号 [雑誌]

芸術新潮 2016年 01 月号 [雑誌]


 これはがっつりメインの特集。ミヤモトは書いてませんが、Side Bの展示は大きく写真で触れてもらってます。大友克洋×江口対談や、作画工程のドキュメントなど、美術誌ならではの内容になってます。



 そしてこの、もうヤバいとしか言えない描き下ろし表紙のユリイカ臨時増刊は、アタマからオシリまで丸ごと江口寿史。Side Bでやった「歴代担当編集者座談会」「江口寿史、音楽とマンガを語る」、そして川崎でやった「リスペクト対談 ちばてつや×江口寿史」も収録。この三つ全部ミヤモト司会なので校正&図版準備等しています。テキストも書いてますよ。
 描き下ろしは表紙だけではありません。「キャラ者」の新作も1ページ、描き下ろされてます。「2016年はマンガの年にする」の宣言通り、早速新作マンガが見られるわけです。
 トリビュートイラストやエッセイ、論考の執筆陣も豪華ですし、決定版と言えるものになっているのではないでしょうか(まだ中身見てませんが)。企画の立ち上げの段階から関わってきたので、すごく楽しみです。

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【1月25日追記、お詫びと訂正】
 ユリイカ、ついに発売になりました。期待を上回る素晴らしい本になっていると思います。
 が、まさかの自分の論考の図版に間違いがありました。
 図2として「それからのパイレーツ」の最終ページが載っていますが、私の意図としては連載版の最終回「パイレーツフォーエバーの巻」の最終ページを載せてもらうつもりでした。これ↓ですね。



(『すすめ!!パイレーツ 完全版』第4巻、小学館クリエイティブ、2008年、p.522)


 もうこれ以上は待てないというギリギリまで待ってもらって、図版が入った状態での校正はできないスケジュールで原稿を入れ、図版については自分でスキャンせずに、最終回の最終ページで、という頼み方をしたので、こういうミスが起きてしまいました。「すすめ!!パイレーツ」の単行本はいくつもあり、最初のジャンプコミックスをはじめほとんどのバージョンでは最終話として、連載終了後の読切作品「それからのパイレーツ」が掲載されているのですが、そのことを失念してしまっていたのが原因です。
 編集部は私以外にも遅れている人がいる(笑)状況の中で特急で仕事をして下さったわけで、責任は私にあります。最後の最後で詰めが甘くて悔しいです。
 めでたく増刷がかかった場合には差し替えていただけるとのことですが、まずはお詫びして訂正いたします。
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 あと、まだアマゾンでは買えませんが、永山薫さん編集の『マンガ論争』14号に「ライブとしてのマンガ展−三つの江口寿史展から考える」というテキストを寄せています。


http://manronweb.com/mangawars/?p=1190


 そして、これはごめんなさい、直接江口さんへの言及はないんですが。
 

美術手帖2016年2月号

美術手帖2016年2月号


 江口さんとの対談もあり、描線へのこだわり、音楽との関わりの深さなど、共通点も多い浦沢直樹さん。
 この1月から展覧会があるということでの特集です。ミヤモトもテキスト書いてます。年末にSide B展示替えの準備やユリイカの執筆と並行して取り組んだので、テキストには反映できてませんが、頭の中ではお二人を対比しながら考えていたので、自分にとっては一連の仕事になっています。
 お二人どちらにも興味おありの方は多いと思いますので、ぜひぜひこちらも。