内記さん、ありがとうございました。
現代マンガ図書館の創立者、内記稔夫さんのお通夜と告別式が、8日・9日に行われ、両日とも参列してきました。8日は会議の関係で遅れての到着にならざるを得なかったので、9日は受付のお手伝いをさせてもらいました。
9日は雨との天気予報が出ていたこともあってか、首都圏在住のマンガ研究関連のみなさんは8日のお通夜に多く参列されていました。
お通夜の後、葬儀場となっていた小石川の伝通院からほど近い居酒屋さんで、マンガ研究関連の人たち30人くらいで飲み会となりました。
献杯の発声は呉智英さん。故・米沢嘉博さんの奥さまの米沢英子さんもおられる前で、この数年でマンガ学会の理事は二人亡くなってしまいまして、次に死ぬと言われている呉です、その後はもうマンガ学会の理事は死なないということで行きたい、みたいな(笑)、呉さんらしいあいさつで、内記さんの人柄を反映したように楽しい会が始まりました。
ほんとにみんなそれぞれ存分に、閉店までマンガの話をして、内記さんを送るのにふさわしい夜になったと思います。
今日9日は朝からあいにくの雨で、関東は今日から梅雨入り。それでも遠方からの参列者を中心に多くの方が参列されました。
藤本由香里さん、森川嘉一郎さん、斎藤宣彦さん、京都精華大学の吉村和真さん、そして私は、関係者ということで、斎場、そして初七日の法要まで、ずっと参列させていただきました。
お花でほとんど隠れてしまっていましたが、棺には、好まれていたタバコなどのほか、『火の鳥』や『COM』といったマンガ本、マンガ雑誌が収められていました。現代マンガ図書館のスタッフNさんに聞いたお話では、「アニメヒーロー・ヒロインシリーズ」の特殊切手の解説を頼まれた際に読んですっかりハマってしまった『ONE PIECE』も、続きが読めるようにと、最新刊が収められたそうです。何、このいい話。書いててちょっと泣けてきちゃうじゃないですか。
70歳過ぎて「ONE PIECE」にハマり、うれしそうにキャラクターTシャツを着ていたという永遠のマンガ少年。それだけでも、僕にとっての内記さんは十分素敵なんですが、その一方で、きちんと不動産業を営まれ、そうした大人としての知識と知恵も総動員して、全力で内記コレクションを維持し、現代マンガ図書館を運営されてきたという、そのことが本当にすごいし、素晴らしいと思います。ダメだ、マジで泣けてきた。
明治大学は、その内記さんの貴重なコレクションを寄贈していただいており、米沢嘉博記念図書館の蔵書と合わせ、またさらにアニメ、ゲーム関連の資料も集めて、(仮称)東京国際マンガ図書館を設立する予定です。
http://www.meiji.ac.jp/manga/index.html
本当は、出来上がった施設を、内記さんに見てほしかった。残念でなりません。森川嘉一郎さんを中心に、明治大学の関係者一同、全力で準備に尽くしていきますので、今しばらくお待ちいただければと思います。
また、当ブログの別エントリでご案内している通り、再来週、6月23・24日には、明治大学で日本マンガ学会の大会が開かれます。
http://www.jsscc.net/taikai/12
内記さんに長く理事を務めていただいたご恩返しができるよう、追悼の気持ちを込めて、よい大会にしたいと、心を新たにしています。
初めて現代マンガ図書館に行った時のことや、内記さんとの個人的な思い出など、書き出せばつらつらといろんなことが書けますが、大会の準備をきちんとするためにも、今日はこの辺で区切りにしておきたいと思います。
内記さん、今まで本当にお世話になりました。ありがとうございました。
*ネット上の追悼文を気が付いた範囲で集めました。
米沢嘉博記念図書館のホームページ
http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/naiki.html
日本マンガ学会のホームページ
http://www.jsscc.net/member/1186
夏目房之介さんのブログ
http://blogs.itmedia.co.jp/natsume/2012/06/post-799d.html