宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

北九州漫画ミュージアムの開設に向けて

 市の担当者のみなさんがヒアリングのために大学まで出向いてくれました。
 実は、去年から今年の春先にかけて、すでに同様のヒアリングのために何度かおいでいただいていて、ミュージアムの基本構想には僕の意見もかなり取り入れていただいています。今回は、今度発足する検討委員会に出すための報告書の詰めの作業でした。いただいた草稿に僕が赤を入れたものをもとに話し合う形で、昨夜はその赤入れのために徹夜してしまいました。
 市の担当の方も信頼できる感じですし、予算が議会を通ったことで、かなり具体的なものが見えてきましたので、僕としては本格的に関わるつもりになっています。
 で、関わる以上は絶対成功させたいです。というか、もし北九州のような政令指定都市で設立したものが失敗してしまうと、もう日本では当面総合的なマンガミュージアムに手を出す自治体はなくなってしまいかねません。京都国際マンガミュージアムはそれなりに順調ですが、あそこは、実質的な運営は京都精華大学マンガ学部が総力を挙げて当たっているわけで、そうした強力なバックアップのない、純粋な公立の総合マンガミュージアム(地元ゆかりの作家を顕彰するものはたくさんありますが)は、北九州が初めてになりますから、その成否はかなり大きな意味を持っています。
 僕は一介の若手マンガ史研究者に過ぎませんが、大学院時代にかなり本格的な展覧会の準備に関わった経験が3度ありますし、川崎市市民ミュージアム京都国際マンガミュージアムで働いている人たちとは親しくさせていただいていますから、美術館・博物館においてマンガを扱うことの実務的な問題もある程度分かりますし、展覧会の準備一般についてもある程度見当がつきます。プロの学芸員さんたちには及ばないものの、普通の大学教員よりは役に立てると自負しています。自分の経験と人脈をフルに生かして、なんとかこのミュージアムを、市民が一緒になって作り、参加し、盛り上げていく、そういう場にしたい、その中でマンガの面白さの持つ間口の広さと奥の深さをより多くの人に知ってもらいたい、と願っています。
 かなり本気になってますので、期待してください。また、ご意見ご協力をいただけますよう、お願いします。
 まだ具体的なことが言える段階ではありませんが、このブログでも極力近況の報告をしていきたいと思っています。