宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

昨日と今日の寝る前の本

 昨日は、ロープウェイで雪のある山頂へ、という展開を予測して、まさにそういう場面の出てくるこちらを上の子が持って行ってました。

もぐらくんとゆきだるまくん (もぐらくんの絵本)

もぐらくんとゆきだるまくん (もぐらくんの絵本)

 で、今日は、まったく関係なく、幼稚園で借りてきてた2冊を。
あげは (かがくのとも絵本)

あげは (かがくのとも絵本)

 あげはの一生を淡々と追います。初版は1972年。懐かしい感じの正統派科学絵本でした。
ふゆめ がっしょうだん (かがくのとも傑作集 どきどき・しぜん)

ふゆめ がっしょうだん (かがくのとも傑作集 どきどき・しぜん)

 こちらは今風科学絵本。冬芽と、その下の、落葉した葉っぱの柄のあった所を顔に見立てるというアイデアでできています。

 顔にみえるところは、実は、落葉した葉の柄がついていた跡です。その中に、目や口のようなもようがありますが、これは葉に養分を送っていた管の断面です。この顔の上にある、円形や円錐形をした部分、これが冬芽で、これから葉や花になるものが中に小さくたたまれていて、春をまっています。
 どの木も、特殊なものではなく、大部分は身近に見られるものです。冬の公園で、雑木林で、ちょっと注意してさがしてみてください。木の種類によって、それぞれごらんのとおりのきまった“顔”ですので、なんの木か、名前をあてる指紋のような役割もしますよ。(「おとなのかたへ」)

 まじっすか!全然知りませんでしたよ。
 てことで、1ページにひとつずつ、いろんな冬芽の「顔」の写真があり、その下に、その冬芽たちが「がっしょう」している「うた」の短いフレーズが「みんなは/みんなは/きのめだよ」みたいに、添えられていきます。そしてふと気づくとなんとこの「うた」は長新太によるものなのでした。途中で「パッパッパッパッ」という合いの手みたいのが4回入るんですが、この「パッパッパッパッ」のときだけ、いつも同じ、「顔」がたくさんある「あずさ」の冬芽の写真だったりするのもうれしい趣向で、上の子だけでなくとうちゃんかあちゃんも大喜びでした。いやー、これはほんとにすばらしい。1986年の「かがくのとも」だったみたいですが、1990年に「かがくのとも傑作集」の1冊として単行本化され、2003年で16刷。それにふさわしい「傑作」と言えましょう。読者はちゃんとわかってるってことですね。そしてこれを借りてきた上の子のチョイスもグッジョブでした。