宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

浦安マンガ寺子屋オープニングセレモニーに出てきました

【7日の1時台に書いています】


 明治大学は、3月の東日本大震災の被災地の復興に貢献するため、震災復興支援センターというのを5月から設けており、液状化などの被害が大きかった千葉県浦安市に浦安ボランティア拠点というのを設けています。


http://www.meiji.ac.jp/gakucho/reconstruction/urayasu/purpose.html


 この拠点内に、マンガ寺子屋というのを設けて、マンガを使って浦安を活気づけようという企画を、商学部の水野勝之ゼミナールの2年生たちが活動しています。
 もともとは、「青山剛昌ふるさと館」があり、「名探偵コナン」のふるさととして町おこしの企画を色々進めている鳥取県北栄町で、水野ゼミがこのマンガ寺子屋というのを設けて、それを拠点に青山さんの講演会などを企画・実施してきた経緯があり、それなりの成果も上がっているということで、後輩たちは浦安で、ということになったようです。
 北栄町のマンガ寺子屋については、下記のホームページとブログ、ツイッターをご覧ください。


http://mangaterakoya.web.fc2.com/
http://mangaterakoya.blog103.fc2.com/
http://twitter.com/#!/manga_terakoya


 で、今日は浦安マンガ寺子屋のオープニングイベントとして「浦安マンガ寺子屋オープニングセレモニー 〜浦安をマンガで元気に!〜 〜浦安をマンガで元気に!〜」というのが開かれたので、後半のパネルディスカッションの司会進行役として参加してきました。
 イベントの内容は、以下の水野ゼミ18期生ブログに載っている通りです。


http://ameblo.jp/mizunosemi18/entry-11059079854.html


 「週刊少年サンデー」で赤塚不二夫の担当者として「もーれつア太郎」「レッツラゴン」などを手掛けてきたことで知られる武居俊樹さんは、浦安市にお住まい(だった?)とのことで、そのご縁でお願いしたようです。僕は、武居さんの講演を中心にしつつ、一方で、マンガで地域活性化、というテーマについてのパネルディスカッションも、というある意味で欲張りな企画で司会をしてもらえないかという依頼をいただいて以降、何回か学生たちとミーティングを重ねて、全体の趣旨を再確認し、構成を詰めるお手伝いをしてきて、今日になったわけです。



 まずは北栄町長から浦安市長に、寄贈のマンガの目録と「名探偵コナン」の贈呈式があって、武居さんの講演となりました。


 武居さんは、今日の趣旨と自分の話をどう合わせればいいのか分からない、と冗談めかしておっしゃりながらも、ご著書の「赤塚不二夫のことを書いたのだ」に出てくるエピソードを中心に、赤塚作品が持っている逆境を生き抜くタフさや全てを笑い飛ばす力のようなものに触れられるお話をして下さいました。


赤塚不二夫のことを書いたのだ!! (文春文庫)

赤塚不二夫のことを書いたのだ!! (文春文庫)


 僕は武居さんにお会いするのは初めてだったんですが、少し話しているだけで、こっちがどんどん楽になってくる感じがするんですよね。まさに「これでいいのだ」的な肯定の力というか。ぜひまた何かの機会にゆっくりお話をうかがえればと思いました。



 その後、北栄町での水野ゼミの活動についてのプレゼンがあり、それを踏まえて、水野ゼミの学生さん、北栄町長さん、武居さんによるパネルディスカッションがあり、北栄町の取り組みについて少し詳しくお話いただいたり、水野ゼミとして浦安でマンガ寺子屋をやることに対する思いなどを学生さんに話してもらったり、武居さんから青山さんがらみの企画をやる際、小学館や、小学館系列の出版社のコンテンツのライセンスビジネスをやっている小学館集英社プロダクションとの付き合い方について、ぶっちゃけたアドバイスがあったりして(笑)、短い時間ではありましたが、それなりに実りのあるものだったのではないかと思います。


 イベント全体として、2年生だけで、初めて運営したイベントでありながら、北栄町長や浦安市長といった来賓もお迎えした公的なイベントとして恥ずかしくないものになっていたと思います。
 単純に、全体の司会をしていた高橋さんの発声が完全にプロ仕様だったので驚いたりもしました。アナウンスの勉強とかしてんのかな。
 北九州市漫画ミュージアム(仮称)に関わってきたことで、マンガで地域活性化的なテーマに関心が向くようになっているので、このマンガ寺子屋の活動にも、今後も注目していきたいなと思っています。