宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

(多分)最後の霊巌洞ツアー、そして

 今日は「最後のマンガ展」を会場で支えてくれていた会場監視・入場整理のアルバイトスタッフのみなさん、それからその統括を担当されていた学芸員の蔵座江美さんといっしょに、島田美術館と霊巌洞を回ってきました。



 午前中に交通センター集合→島田美術館→交通センターに戻って昼食→霊巌洞→CAMKの、もう何回やったのか急には思い出せないくらいの、いつもの流れでしたが、今日は初めての曇天、しかもちょうど霊巌洞に着いたころにざっと通り雨があり、出るころにはやむ、というなかなか悪くない感じの天気で、締めにふさわしいスペシャル感がありました。写真の後ろが白く煙っているのは、このころもうやみつつあった雨なんですね。


 今回の〈熊本版〉では総勢60名をこえるアルバイトスタッフが、会場を「守る」仕事をしていたので、残念ながら全員参加というわけにはいきませんでしたが、12名のみなさんに参加してもらえて、楽しい時間が過ごせました。
 そして霊巌洞からCAMKに戻って、そこで解散、ではなく、今日はもう一つ大事なイベントがありました。


 私、この展覧会にはほんとしつこくからませてもらっていたわけですが、そこには、このアルバイトスタッフに、ミヤモゼミ生を中心に、北九大生を十数名、参加させてもらい、その様子を見させてもらうことで、マンガの展覧会というものの可能性と課題を、会期中の現場を支える毎日の仕事の側面から、学ばせてもらおうと思っていた、ということがあったのでした。
 最初は、単に、今までにもいろんな形でお世話になっていたCAMKのお手伝いが少しでもできれば、と、思っていただけでした。それで、もし何かあったら学生たちにも手伝ってもらえると思います、と学芸員の冨澤さんにお伝えしていて、別に一時的・短期的なボランティアとかでも、学生にとっても僕にとっても得るものはあるだろうなと思ってた程度でした。
 それが結局、短期間で、信頼のできる会場監視・入場整理のスタッフを集める必要がある、ということで、急きょウチの学生もアルバイトとしてきちんと会期中コンスタントに関わらせてもらうことになったのでした。
 その過程で、会期前のスタッフ説明会に同席させてもらうことから始まり、毎週CAMKにうかがうたびに、バイト控室に、差し入れを持っていき、ウチの学生に限らず、休憩中のバイトのみんなとおしゃべりさせてもらううち、これは、ぜひ、このバイトのみんな自身の言葉で、この仕事の体験を書きとめてもらい、一冊にまとめておきたい、という気持ちが強くなっていきました。
 で、CAMKの冨澤さん、蔵座さん、それから井上さん側のプロデューサーであるFLOWERの大桑仁さんにご相談の上、スタッフ体験記を一冊にまとめる仕事を始めたのでした。今は、まさにその原稿が集まりつつあるところで、編集作業がこれから本格化していくところです。
 このささやかな冊子には、バイトスタッフ自身による体験記のほか、蔵座さんによる、手に汗握る会期中の全日記、そして、上野の森美術館でこの展覧会を企画し、また会場監視・入場整理を担当されていた野村俊広さんと武富太郎さんのインタビューも掲載させていただく予定です。完成したばかりの、CAMK制作による「報告書」を、別の切り口から補完するものになることを目指しています。
 今日の夕方からは、この体験記に収録するもう一つの企画として、集まってもらったみんなによる、スタッフ座談会を行ったのでした。
 当初1時間半くらい、と思っていた座談会は、大いに盛り上がり、結局みっちり2時間10分続きました。期待した以上にいい話をみんながたくさんしてくれて、脇で聞いてくれてた蔵座さんが涙ぐむ展開に、この展覧会がいかに多くのものをかかわったすべての人に与えたのかを、改めて実感しました。
 座談会終了後は、さらに時間のある人たちと懇親会、てかまあ普通に居酒屋で飲み会。こちらも楽しく盛り上がりました。
 というわけで、いやー、今日はほんとに充実した一日でした。お付き合いいただいたスタッフのみなさん、そして蔵座さん、ありがとうございました!