宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

今日の寝る前の本

 そんなわけで、今日はちょっと夜更かしして眠気の限界まで遊ばせてから本も多めに読むという作戦をとりました。
 まず下の子のリクエストは、いつものこの2冊。上の子はこの時点でまだ歯磨き中。

せんろはつづく

せんろはつづく

トマトさん (こどものとも絵本)

トマトさん (こどものとも絵本)

 その後、上の子が幼稚園で借りてきた2冊も、下の子と一緒に読みます。絵本読み中に寝てしまえればラッキー、ということで、かあちゃんはさしあたり別室で待機です。
 借りてきたのはどちらもお初の本。1冊目は絶版らしくアマゾンだけじゃなく、版元のホームページにも載っていないこちら。


・きみほんとのわにかい


・作者: こいけたみこ、さんかわよしひら
・出版社/メーカー: こぐま社
・発売日: 1976
・メディア: 大型本


 おとうさんもおかあさんも家にいなくて一人でお留守番の日、主人公の男の子が、ソファのある応接間に入ると、なんとそのソファにはワニが寝そべっています。男の子は、聞きます。「きみ ほんとのわにかい」。
 読みながら、「こいけたみこ」ってどこかで聞いた名前のような・・・と思ってたんですが、あとで検索してみると、「小池タミ子」の表記で昔話の再話本や、児童劇を手掛けていて、1928年生まれ、2005年死去、本名は冨田タミ子、と出てきて、思い出しました。僕が児童文学学会に入ってすぐの頃、戦時中の児童文化統制の研究をされている浅岡靖央さんらの参加されていた児童文化史研究会に顔を出させてもらっていたんですが、この研究会が開かれているのが、そのころすでにお亡くなりになっていて私はお会いすることのできなかった、児童演劇の教育・研究の第一人者で白百合女子大学の児童文化学科の教授でもあった、冨田博之先生の御宅でした。
 たくさんの資料のある書庫と、ちょっとした集まりができるスペースのあるお家だったのですが、研究会の時、いつも穏やかな雰囲気でお茶を出したりしてくださっていたのが、研究会参加者の皆さんから「小池先生」と呼ばれていた、冨田先生の奥様でした。「たみこ」という名前にも聞き覚えがあるので、その奥様が、ほぼ間違いなく、この「こいけたみこ」さんだと思います。
 僕はその頃、まだ児童文学全般については知識も興味も乏しく、「小池先生」と呼ばれているくらいだからご自身の名前で児童書などをお出しになられているのだろうな、くらいにしか思っていませんでした。小池先生も、研究会に参加して発言されたりするわけではなかったので、僕が1対1でお話しする機会もありませんでした。2005年にお亡くなりになられていたこと自体、今回検索して知ったような次第です。こんな形で、再びそのお名前に出会い、こんな、いい感じの、少し不思議なお話をお書きになっていることを知るのは、それ自体、少し不思議な、うれしいご縁だと感じる一方、ああ、あの頃もっとお話ししておけばよかった、とも思ったのでした。
 しかも、小池先生、石森章太郎との共作で、復刊ドットコムにもリクエストがあがってる本(「おつきさまをたべちゃった」)なども手掛けられているんですね・・・。


http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=34397
http://www.sanriku-kahoku.com/news/2007_02/i/070201i-douwa.html


 もう一冊は、「ばばばあちゃん」のさとうわきこによるこちら。

せんたくかあちゃん (こどものとも傑作集)

せんたくかあちゃん (こどものとも傑作集)

 これもまた、えらいぶっとんだ話でした。何でもかんでもすごい勢いで洗濯してしまうせんたくかあちゃん。おっこちてきたかみなりさまもごしごし洗ってしまいます。すると驚いたことに、かみなりさまはしわしわになったうえ、しわを伸ばすと顔がすっかり消えています。なんだかすごい展開にみんなでおおウケでした。
 で、この本読み終わる頃には、下の子もだいぶ眠そうだったので、知らん顔で、さ、じゃあ、寝よう!っつったら、ちょ、おま、ふざけんな、って感じで下の子が泣き出したので、仕方なく母ちゃんがやってきて、あくまでおっぱい拒否のまま30分くらい子守歌を歌い続けて寝かすことになったのでした。