宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

第二次署名、始まっています。

 授業が始まって、なかなかこちらに割く時間と力が足りず、情報の収集も発信も滞りがちで申し訳ないです。
 関西では報道されているかもしれませんが、今日、児童文学館館長の向川幹雄氏が、「育てる会」による署名やマンガ学会からの存続要望書など、関連の要望書類をまとめて、直接府庁に持参されたはずです。
 知事が最終的な結論を出すまでに、さらにできる限り多くの署名を集めるべく、第二次の署名運動が始まっています。ウェブ上での拠点になっている「児童文学書評」サイトから用紙をダウンロードして、「育てる会」までお送りいただければと思います。


http://www.hico.jp/


 「児童文学書評」にはすでにマンガ学会からの要望書が転載されているほか、毎日新聞に掲載された竹内オサムさんの記事などへのリンクも貼られています。散発的にいろんなところで始まった運動が、徐々に点から線になりつつある実感があります。九州にいて、テレビニュースもなかなか見られない生活だと今一つ伝わらないのですが、関西では結構テレビ、新聞等で取り上げられているようで、この調子で府民、それから館の活動・蔵書に興味のある方の関心が高まり、そして何よりプロジェクトチームの担当者や橋下知事が認識を新たにしてくれるきっかけができていくといいなと思います。
 こちらでも竹内オサムさんの記事、児童文学館を最初に取り上げた朝日新聞の記事へのリンクを貼っておきます。


http://mainichi.jp/kansai/photo/news/20080411oog00m040006000c.html
http://mytown.asahi.com/osaka/news.php?k_id=28000000804120003


 あ、それからもちろん、マンガ学会のホームページにも要望書が掲載されています。


http://www.kyoto-seika.ac.jp/hyogen/manga-gakkai/newspage/080415youbou.html


 PDFファイルでのダウンロードもできますので、ご覧ください。


 日々バタバタしつつも、この問題に触れてくれているブログのエントリなどには極力目を通していますし、当ブログのエントリへのブックマークコメントも読ませていただいています。今後の展開を考える上で有益なヒントも多く、ありがたい限りだと思っています。特に、批判的な意見は、なるほどそのハードルをクリアできれば力になるなと教えられることが多く、一つ一つここで応答する余裕がなくて申し訳ないのですが、参考にさせていただいていることを記しておきます。
 そうした批判的な(否定的な、ではなく)ご意見の中で多いのは、もっと具体的・建設的な提案・対案をこちらから出さなければ、というものですが、これについては、こちらも忸怩たるところがあります。
 私個人のここでのエントリにしても、マンガ学会からの要望書にしても、あくまで利用者・受益者の立場から、児童文学館の施設・蔵書・運営組織・活動から、どのような恩恵を得ているかを、極力具体的に述べる、という形にならざるを得ないところがあります。
 私自身もマンガ学会の理事も、直接、館の運営に関与しているわけではありませんから、特に運営組織としての財団のあり方について、勝手な代弁をするわけにはいきません。マンガ学会からの要望書は、むしろ、少し踏み込みすぎではないかなとも思っていたくらいなのですが、逆に、なまじ、もっと成長できる施設・組織としての児童文学館を「育てる」ことへの協力を申し出ている分、じゃあ、もっと具体的な案を出してはどうか、というご意見をいただくことになったのだと思います。
 ただ、今は、まず、とりあえず、「待った」をかけることを最優先しなければならない段階だと思っています。より建設的・具体的な案を出すには、当然もっと慎重な現状分析が必要であって、一利用者からみても全く館の蔵書や活動の特質が把握できていないプロジェクトチーム案をもとに、わずか2か月で結論を出すというのは、拙速に過ぎると思うわけです。
 ですから、あくまで現状では外部から存続を要望しているにすぎない者としても、あまり安易に、「生産的な提案」を出すべきではない、と思うのです。今は、とにかくきちんと落ち着いて議論できるテーブルを用意して下さいと訴える段階だろうと、僕自身は考えています。そのためにも署名の「数」はそれ自体訴える声の「大きさ」になりえますので、ちゃんと代案出しなよと思われているみなさんも、代案を作って話し合える時間と状況を作るためにこそ、署名に協力していただけるとうれしいです。