宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

たたかいはここからです

 橋下知事直轄の改革プロジェクトチームが、11日、財政再建案を発表しました。

【読売新聞】
http://osaka.yomiuri.co.jp/tokusyu/h_osaka/ho80411e.htm
http://osaka.yomiuri.co.jp/tokusyu/h_osaka/ho80411d.htm

朝日新聞
http://www.asahi.com/politics/update/0411/OSK200804110035.html

産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/080412/lcl0804120018000-n1.htm
http://www.sankei-kansai.com/01_syakai/sya041106.htm

 府立の施設がどうなるか、一番まとまっているのは読売の二番目の記事ですが、国際児童文学館については、ウェブ上ですぐ見つかる記事を読んでもわかりにくいですね。
 大阪府のホームページに公式ページができています。


http://www.pref.osaka.jp/zaisei/kaikaku-pt/shian/index.html


 この中の「資料編」の「◆公の施設」とあるPDFファイルを開くと、25番目に児童文学館についての記述があります。
 「見直しの方向性」は、次のようにまとめられています。


・機能を中央図書館へ移設
・同財団法人も廃止
・施設は撤去、もしくは跡地利用について検討を行う
(実施時期)
平成21年度中に実施


 児童文学館は、施設としての府立国際児童文学館を、組織としての財団法人大阪国際児童文学館が、指定管理者として運営している形ですが、特に問題なのは、運営組織としての財団の方を廃止してしまって、「機能」だけ府立中央図書館に「集約」することなど、できるはずがないのではないか、ということです。
 マンガ学会からの要望書でも丁寧に述べているんですが、児童文学館の機能は、短くない歴史の中でノウハウを蓄積したプロフェッショナル集団としての財団のスタッフが、緊密に連携しながら動けるコンパクトな組織あってこそ実現しているものであって、これを廃止して、いきなり「機能」だけ府立図書館に移すことなどできるはずはない。と、一人のヘビーユーザーとして、館のみなさんにお世話になってきた経験、および、特別研究員として企画展示にかかわる中で少しではありますが、一緒に仕事をさせてもらった経験から、推測することができます。
 私は大学院生時代、府立中央図書館も中之島図書館もかなり利用させてもらっていますし、東京と大阪のかなり多くの図書館・文学館・資料館を利用していますが、やはり図書館と児童文学館は、それぞれ機能が違います。図書館のサービスも今や大変多岐にわたり充実したものになっていますから、児童文学館にできなくて府立図書館にできることも多々あります。しかし、逆もまたしかりなのであって、その違いは容易に「集約」できないばかりか、その強引な「集約」過程次第では、完全に失われかねません。
 上の資料にある「見直しの理由」を見ても、分析担当者が児童文学館の特質をきちんと把握できていないのは明らかです。「見直しをした場合の効果」と「見直しをした場合の課題」を見比べても、それは本当に釣り合いが取れているのかも大いに疑問です。どうか、お願いですから、マンガ学会からの要望書をお読みください。>担当者の方
 上の新聞記事にもあるように、知事の意図は、とにかくみんながびっくりするような極論を打ち出すことで、府庁内、および府民、関係者に、危機感を喚起し、徹底した議論を行わせることでしょう。その中でどれだけ力のある反論が来るかを見ながら妥協点を探っていくということでしょうから、とにかく最後まであきらめずにたたかわなければならないと思います。

 
 うーん、こうなったらほんとに、ヒアリングのような機会があるなら直接大阪行きますけど。なんか、府庁の担当者にアプローチする方法ないのかな。あとはロビー活動?やったことねえしなあ。でも要望書出すだけで最善は尽くしたってわけにいかないでしょ。なんか考えて、動きたいと思います。