宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

7月17日(月)「生人形とキャラクター文化」(於・熊本市現代美術館)

 展覧会のタイトルが「反近代の逆襲」となっていることも踏まえて、「近代」の「美術」に対置されるようなものとして、「前近代」の生人形と「ポストモダン」のマンガ・アニメ・ゲーム等のキャラクター文化を並列に論じるというのが分かりやすい構図だったと思うんですが、われわれとしては少し欲張って、生人形とフィギュアって似てますね、そう言えばカーネル・サンダースの人形がケンタッキーの前に置かれてるのって日本だけでしたよね、みたいなどっかで聞いたような話を越えて、むしろ、生人形と現代のキャラクター文化の、微妙だけど決定的な違いは何かを、多角的に検討するという流れにしてしまいました。
 司会の金澤韻さんからはその日初めて展示を見て思いついたことをつれづれに語ってくれれば、ということだったので、実際そうしたんですが、昼ごはんを食べながらの適当な打ち合わせの中で、伊藤さんはイメージをめきめき組み立てていき、控え室に戻って、浴衣への着替えの合間にテキパキとネットから事例として適切な画像をダウンロードしていきます。その様子を眺めていると、こちらも気分が盛り上がって、どういうふうに「受け」れば一番伊藤さんのプランどおりに話が進むか、イメージが出来上がっていったのでした。ってかっこよく書きすぎですが、まあ許して下さい。
 トークが始まる際、挨拶に立った館長の「実はここでサプライズが…」との紹介で、森村泰昌さんが登場して、来年予定されている個展のための未完成作品を上映された時には、「勝てるわけねーじゃん!」とか、「逆に考えれば森村泰昌を俺らの前座扱いかよ!それってめっちゃ失礼なんじゃ!?」とか思ってあわてたわけですが、いざ始まってみると、司会の金澤さんそっちのけで(すいません!)、まるで綿密に用意された台本に即したかのような、それでいてきちんとライブの緊張感に満ちたトークを展開できたのでした。
 この対談は近い将来活字になる予定ですので、内容はそのときまでのお楽しみということで、さしあたり、大変ありがたい批評を書いてくださっている熊本大学の跡上史郎さんのブログを御覧いただければと思います。
http://blogs.dion.ne.jp/marginalia/ 
 トーク終了後はゼミ生をつれてきてくださってた跡上さんとご挨拶し、跡上ゼミとミヤモゼミで集合写真を撮ったり、夜はヌーヴェル・キュイジーヌな中華料理屋さんで(おいしかったす!)うちのゼミ生も混ぜてもらっての打ち上げなど、楽しく過ごさせていただきました。
 当日の日記はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/hrhtm1970/20060717
 写真は浮かれるミヤモゼミの人たち。