宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

浦沢直樹インタビュー

でした。『ユリイカ』マンガ論特集のためのものです。
午後2時から3時間以上にわたって応対していただきました。めちゃめちゃ濃密なインタビューになったと思います。
僕が立てたテーマは、「受け手としての浦沢直樹」でした。浦沢さんの今までの仕事は、その総体が、まるで自分の中に日本のマンガ史をまるごと抱え込んでいく過程のように読めるわけですが、それが可能なのは、浦沢さんがまずもって極めて高度な受け手であるからだろう、というのは、今までのインタビューを見ていても分かるわけです。そこで、幼児期から主に大学生までの時期において、浦沢さんが、マンガを、フォークを、ロックを、どのように自分のものにしていったのか、それがその後の作家としての活動にどう関わっているのかを探っていく、という感じのプランを立てさせてもらいました。
浦沢さんには、かなりまとまった質量のインタビューが、すでに結構たくさんあり、それらの主なものを大急ぎでかき集め、それらから、さらに踏み込んだ質問をさせていただきました。そして浦沢さんはそうした質問に、こちらの期待以上に深い応答をして下さいました。
もちろん、全てのインタビューを網羅できたわけではないので、「それはあそこでもう言ってんじゃん」ってことに、僕が驚いてたりする場面もあるかもしれませんが、全体的には、これまでのインタビューの中でも最高の水準のものになっていると思います。
具体的な内容は来年1月末発売の『ユリイカ』を楽しみにお待ちいただきたいのですが、上のようなコンセプトでお話をうかがうことで、かつてないほど浦沢さんが、「マンガ」について、そして「絵」を中心とする自らの「表現」について、深く語ったインタビューになったと思います。こちらの執拗な問いに答え続けてくださった浦沢さんに、感謝したいと思います。そして、こんな機会を与えてくれた『ユリイカ』編集部、あと「一人じゃ不安だから来てくださいよ」とお願いし、同行してもらった伊藤剛さんにも感謝します。それから、マンガの神様にも。感謝します。いやー、ほんとありがとうございました!