宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

『漫画訳 雨月物語(漫画:武富健治)』音音(ネオ)コミックアテレコLive&トークショー

【イベント当日の日付でアップしています】
 武富健治さんの待望の新作描きおろし『漫画訳 雨月物語』のうちの三篇「菊花の約」「浅茅が宿」「蛇性の淫」をモーションコミックにし、それに声を当てるアテレコを舞台上でライブで行うというアテレコLiveが7月31日に行われます。


http://neovoicearts.ocnk.me/phone/menu-detail/38


 その幕間のトークで聞き手を務めさせていただくことになりました。

漫画訳 雨月物語

漫画訳 雨月物語


 (帯の推薦文が又吉直樹さん!)
 発売に先駆けて読ませていただきましたが、ある意味これまでの武富さんの仕事の集大成であり、また次のステップを予告するような要素もある傑作です。
 その中で今回アテレコライブの対象となる三篇は雨月物語の中でも有名なエピソードで、舞台映えする内容になっていると思います。
 音音コミックさんのアテレコLiveは、すでに3月にも「菊花の約」「浅茅が宿」と池田鷹一さんの「くノ一哀史/新選組残照」を取り上げた公演を拝見しています。


http://neovoicearts.ocnk.me/news-detail/26


 ケータイやスマホ配信用に、漫画をコマごとに色や音やちょっとした動きを付けて送っていくモーションコミック(ほかの言い方もありますが)は、さかのぼれば大島渚の「忍者武芸帖」(1967年)以来さまざまに試みられてきているわけですが、舞台でお客さんの前でライブでアテレコするというのは演劇的な要素もあって、面白いなと思いました。
 ご存知のように武富さんは本格的な演劇の経験もおありで、それを漫画の演出にも活かしているので、武富作品を取り上げるのはまさにドンピシャと言えるでしょう。
 すでに3月の公演でも武富さん自身が出演されていましたが、今回は出演のみならず演出にもかなり参画しているということで、期待が高まります。
 今回トークの聞き手をさせていただくうえで、参考にさせていただきたくて、3月16日の稽古を見学させてもらったのですが、すでに3月の公演より高いレベルに達しているように見えました。ここから2週間さらにレベルアップされていくと思うと楽しみです。
 この公演が終わったら、武富さんは次の連載企画の準備・執筆に入られるということなので、舞台に立ってガチで声の演技をする武富健治を見る機会は当分ないかと思います。3月の公演の時もハンパないレベルの演技だったので、それだけでも武富ファンは必見・必聴かと。
 トークは短時間ですが、例によって二重三重の読み込みを要求する武富作品の仕掛けに触れたり、舞台裏のエピソードを話していただいたりして、公演をさらに深く楽しめるようなものにしたいと思っていますので、みなさんぜひぜひ。