宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

荒木伸吾回顧展「瞳と魂」


 昨年末亡くなった、日本のテレビアニメを支えてきた名アニメーター荒木伸吾の回顧展を見てきました。大友克洋GENGA展をやってた3331Arts Chiyodaの地下の1室で開かれています。


http://www.arakishingo.com/pc/special/


 息子さんが企画・構成・運営をされているということで、展示手法は素朴なものでしたが、一点一点の絵の力がハンパないので、むしろそうしたシンプルな展示が、絵の力を強調していました。
 貸本劇画時代の作品から、虫プロ入社当時の「ジャングル大帝」以降、「巨人の星」、「あしたのジョー」などから「聖闘士星矢」などまで、アニメーターとしての主要な仕事を、作品ごとに順に紹介していくオーソドックスな構成で、各作品数点ずつの原画やキャラクター設定画などが、パネル、または現物で並びます。
 まー、しかし、かっこいい。構図とキャラクターのポージングが、一枚絵でもすごく動きを感じさせる絵で、描線もほれぼれします。線を目でなぞってるだけで気持ちいいんですね。「キューティハニー」の原画とかもヤバかったです。
 分厚い図録は展覧会図録としては高めの値段設定ですが、分厚さも通常の図録をはるかに上回ってますし、展覧会自体は入場無料なので、ファンにとっては全然オッケーでしょう。
 それぞれ原作者や制作会社の異なる作品の原画ですから、著作権上の難しさがあり、荒木伸吾の作品だからということで簡単には集められないものなので、こういう展示や図録は、今後なかなか実現できそうにないようです。
 12月10日までですので、行ける方はぜひぜひ。