宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

「特撮博物館」展、見てきました!


 東京都現代美術館で開かれている「館長庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」展をようやく見に行くことができました。


http://www.ntv.co.jp/tokusatsu/


 いやー、やばいやばい。これはやばい。
 僕は1970年生まれですが、おそらく、物心ついたころから小学校卒業するころまで、平日は毎日何らかの特撮ヒーローものの再放送がやっていて、春休みや夏休みにはゴジラシリーズ、ガメラシリーズはもちろん、大魔神とか、ガッパとかの怪獣映画も、朝、しょっちゅう放送していて、みたいなテレビ環境で育ったものですから、1年のうち特撮番組を目にしない日の方が珍しかったんじゃないかって状態だったわけで、そんな世代としては「あっ、ああっ!あああっ・・・、うわ、いや、うわ、え?うわああ」みたいな状態が2時間くらい続くある意味極楽ある意味地獄みたいな展示です(笑)。「恐竜探検隊ボーンフリー」まであったからなー。


 で、そうしたオタク第1世代から第2世代くらいまでの心の引き出しを次々全開にしていく資料展示だけでなく、さらにそうした世代を虜にした特撮の技術を現在に継承し、さらにこの展示を通じて発展させようという素晴らしい野心のもと、「巨神兵東京に現る」という新作短編映画まで作ってしまい、館内で上映し、制作の過程で作られたミニチュア等のプロダクツを展示し、そのプロセスを公開し、大のオトナが本気で夢中になって空想物語づくりに打ち込む様子を見せてしまうというコンセプトが、見事に形になっていて、ずっと見ているうちに、ちょっとウルウルしてきてしまいました。
 かけられているお金、労力、知恵、そしてあえて申しましょう、ロマンの、ケタが違うというか。
 資金と人力をどかんと投資して、クオリティの高い展示を構築し、コンテンツの力でエンタテイメント性と資料性を共存させた展示を作る、という一つの方法論を確立してしまった感のある、毎年夏の東京都現代美術館でのジブリプレゼンツの展覧会ですが、今回のこれはその中でも出色の出来ではないでしょうか。
 庵野氏が「館長」、樋口真嗣氏が「副館長」として名前を出し、全面的に彼らの「顔」が見える展覧会になっていることで、作り手の熱量が直接的に観客に伝わるようになっているのも、いいと思います。


 「巨神兵東京に現る」もよかった。この映画の「本編」はいつやるんですか?って言いたくなるくらい魅力的な予告編的フィルムでした。林原めぐみのモノローグは反則でしょう。しびれました。


 写真は、撮影可になっている「巨神兵…」のセットでのもの。写メなのでいまいち。平日なので、ほぼ僕と同世代以上の大人の男性が大半で、適度な混み具合だったんですが、撮影してる人たちのカメラの一眼レフ率の高さがすごかったです(笑)。一脚まで持ち込んでるガチの人が複数いたのは、ま、この展示なら、さもありなんて感じでした。平日を狙って来られたんでしょうね。


 僕ももう一回、一眼持っていきたいと思います。でももう平日には行けそうにないのが辛いんですが。今日は、カメラは忘れるは、仕事の関係で3時間のつもりが2時間しか見られないわで、残念でした。でもほんとに感動したので、ぜひもう一度行きたいと思います。
 例年のジブリプレゼンツ展示は都現美の後、全国を2年くらい巡回したりしますが、この展示は、デリケートな資料が多いので、そんなには巡回できないでしょうし。というか巡回自体あるのかどうか微妙な気がします。みなさんぜひ。
 おすすめは、ガメラゴジラなどの実際に撮影に使われた怪獣スーツの顔の真正面に立って目を合わせてみることです。横や斜めから見るのと全然迫力が違う!びっくりしました。僕は特にメカゴジラが、マジで怖かったです。