宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平」展と「こどものにわ」展



 明大の1学期の採点も終わり、北九大のゼミも1学期分を終えたので、ちょみっとの解放感とともに、2年ゼミ生3人と見てきました。
 アリエッティ×種田陽平は、前半がアリエッティの世界を種田陽平が再現した空間、後半が映画美術家種田陽平の仕事を一覧できる展覧会で、それぞれ面白かったです。
 前半、もちろん楽しいんですけど、非常に良くできたテーマパークだと言ってもよいものでした。「アリエッティ」の世界を深く理解する助けになるという点で、アニメーションの展覧会のアプローチとして、有意義なものではあると思うんですが、受け取られ方としてはディズニーランドのトゥーンタウンと同じかなと。
 宮崎駿の描いたイメージボードや、アリエッティのキャラ設定が固まっていく様子のわかるスケッチ類(それだけでも結構見ごたえはあったりするんですが)などの資料展示が、展覧会の最後に付け足し的に置かれてしまっているのも、前半が独立したテーマパークに見えてしまう要因になってるかも。このコーナーを前に持ってきて、もう少し有機的にもともとの美術設定と種田陽平による立体化との関連を見せてくれるとよかったかなと思いました。
 というわけで、ジブリ東京都現代美術館が組んで毎年やってる一連の展覧会が、アニメーションの展覧会を、単にテーマパーク的なものにもアカデミックなものにもしないで、両者のバランスをうまくとる工夫を重ねてきたこと考えると、ちょっと後退してるかなと思った次第なのでした。
 毎回、会場内に工夫を凝らして設けられている記念撮影コーナーも今回はなく、美術館エントランスホールの奥の方にいかにも簡単なのがあるだけでした。気付かないまま帰るお客さんがほとんどだったのではないでしょうか。



 とか言いつつ、とりあえず、人に頼んでまで撮るんですけどね
 

 「こどものにわ」展は、いい展覧会だといいなあぐらいの感じで入ったんですが、かなり良かったです。適度にすいてるし(笑)、普通に子供が楽しめて、かつ、大人も子供も普段使わない感覚が刺激されるインスタレーション的な作品が多くて。これは、そのうちウチの子たちも連れてこようと思いました。
 こちらはフラッシュ使わなければ会場内撮影可なので、子供が楽しんでる様子のいい写真がたくさん撮れますよ、多分。


 展示は16時ごろ見終わったので、清澄白河のシャレオツなカフェでお茶して解散、久しぶりに学生とゆったり楽しめた半日でした。
 来週は3年ゼミのゼミ旅行だー。でもその前にいろいろ仕事があるんだー。