宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

展示そのものも、いい!

 と思います。この「高橋留美子展」は、昨年の東京・松屋銀座店から各地を巡回していて、会場のサイズによっては展示物を減らしたりせざるを得ないこともあったわけですが、今回の会場になっている北九州市立美術館分館はスペース的にも十分広いので、展示できるものは全て展示されています。
 僕はゴールデンウイークに京都のJR京都伊勢丹の美術館「えき」KYOTOでの巡回展を見ているのですが、このときは特に会場が狭く、「めぞん一刻」の一刻館の原寸大再現など、立体の造作が展示されてなかったほか、この展覧会の目玉でもあるオリジナルアニメーションの上映もありませんでした。
 今回の北九州展では、一刻館もバッチリですし、オリジナルアニメーションも上映されています。「うる星やつら」、「らんま1/2」、「犬夜叉」、それぞれ、短編と言ってもちゃんと25分ある作品が日替わりで上映されてます。
 展示されている原画も、間隔がゆったり展示されているので、ある程度混み合っていても見やすい状態になっていると思います。
 今回特に、僕にとって「おおおっ」と思ったのは、今年連載の始まった「境界のRINNE」のネームがたくさん出品されていたことです。これもたしか北九州展の前の名古屋展からの出品だそうで、当然連載の始まってなかった時期の東京展などには出ていませんでしたし、とにかくこのネームの絵がいいんですよ。
 ご存じの方も多いと思いますが、ネームって、原画にとりかかる前に、別の紙に、コマ割りと構図とセリフだけをごくラフに描いたもので、これをもとに、編集者ともうちょっとこのコマ大きくしましょうかとか、ここの構図この方がよくないですか、とか詰めていくわけです。
 で、例えば井上雄彦さんが自身のサイトに、こんな感じで

http://www.itplanning.co.jp/real.html

 連載作のネームを毎回4ページとかだけ載せてますけど、こんなふうにほんとにラフな絵の場合も多いんですよ。僕の知ってる限り。でも、高橋さんのネームってすごくちゃんと描き込まれていて、しかも鉛筆描きなんで、線がとってもやわらかくて生き生きしてるんです。これは自分でマンガ描いてるみなさんは、ぜひ見てほしいと思います。眼福です。
 あとは、この北九州展から登場した記念撮影用キャラクターパネルを推しておきます。



 主要4作品のキャラ4人分です。
 この後の巡回先には巡回していきますが、なんと、今日、テープカットの後、このパネルをご覧になった山口勝平さんが、犬夜叉のパネルにサインを入れて下さいました。ちょっと分かりにくいですが、左足のとこに何か書いてますよね。これがサインです。
 日付も今日の日付が入ってます。これはプレミア感ありますよ。
 美術館の入り口入ってすぐ右手にあるんですが、美術館はまず5階から入って、4階会場に下りて、そのまま4階で外に出る導線になっていまして、4階出口の手前のグッズ売り場まで来ると、もう逆流困難、かつ、出てしまうと再入場不可なので、ぜひ入場したときにお忘れなく記念撮影なさって行って欲しいです。


 ということで、とっても楽しい展覧会になっていますので、みなさん、ぜひ!