宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

大盛況

hrhtm19702008-07-20


 下関市立美術館で開催中の「少女マンガ3人展」に来ています。
 出展作家のお三方、水野英子先生、青池保子先生、文月今日子先生のトークショーが間もなく始まるんですが、立見多数の大盛況です。


【7月24日追記】
 展示とトークショーのレポートを白峰彩子さんがお書きになっています。

http://d.hatena.ne.jp/mtblanc/20080720

 ほんとに、最近のマンガ展には珍しく、原画そのものがすごい数並んでいて圧巻です。白峰さんもお書きの通り、残念ながら水野英子先生の初期の作品は原画がほとんど失われているとのことで複製がほとんどですが、迷いなく力強い描線を間近で絵として見ると、水野先生がいかに特別な存在だったかが実感されます。
 青池保子先生のカラー原画も、こんな規模でまとまって見られるなんて、もしかするとこれが最初で最後かもしれないです。圧巻です。彩色の技術もすごいです。
 文月今日子先生の70年代作品のカラー原画も、色彩感覚、彩色の技術、そして原画の保存状態ともに、大変素晴らしく目からうろこがたくさん落ちます。背景に植物が描かれたものが多いんですが、少女マンガっぽさの記号としてのお花じゃなく、お話の内容にとって必然性のある形できちんと、花や葉が描かれているというか。
 とにかく、このお三方のファンの方なら、わざわざ遠方から来る価値ありまくりの展覧会だと思います。