宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

公開講座「マンガ史入門」第1回

 「歴史を知ると、今が見える?−『ONE PIECE』と『新宝島』、『鉄腕アトム』と『PLUTO』−」でした。


 割と、いい感じで、できた、気がしま、す。


 『新宝島』と『ONE PIECE』、『鉄腕アトム』と『PLUTO』、そしてまた『ONE PIECE』と往復しながら、戦後マンガの発展の概要をつかんでいただく、という組み立てにしてみました。マンガ論的に特に新しいことは言ってませんが、マンガ史という門に「入って」いただく工夫としてはそれなりによかったのではないかと。『ONE PIECE』については、ちょっとだけ新しいことが言えた気もします。最後の方、実はちょっと時間配分を間違えてて、若干せわしない終わり方になったのが申し訳なかったですが、一応話そうと思っていたことは全部お話しできました。
 感想を書いていただくペーパーを見ても、思った以上に、どの年齢層の方にも面白いと思っていただけたようで、必死で準備した甲斐があったなと、うれしかったです。マンガの説明が長すぎる、読めばわかる話ばかりで、もっと突っ込んだ話をしてほしかったといったご不満をお書きの方もおられたんですけど、なにぶん下は18歳、上は86歳ですから、『ONE PIECE』のあらすじ紹介も、『鉄腕アトム』のあらすじ紹介も、吹き出しに囲まれてない文字は声に出していない内面の言葉なんですといった説明も、半数の人には全く必要ない一方、半数の人には必要だと思うんですよ。こういう幅広い層の方をお相手にした講座では、興味はあるけど詳しくはない、という方を置いてきぼりにしないことが大事だと思いますので、すでにお詳しい方には物足りない部分もあると思います。そんな中でも、少しは「おっ」と思っていただける部分を織り込む努力をしたいと思っていますので、今しばらくお付き合いいただければと思います。
 あ、あと、このブログで講座のことを知ったと書いてくださってた方もおられて、うれしかったです。ありがとうございます。これからもどうぞごひいきに。