今週の比較メディア文化=メディア文化概論
月曜は比較メディア文化=メディア文化概論の10回目。ドキュメンタリー映画の方法ということで森達也の「A」を見てもらいながら、森のドキュメンタリー論を紹介しました。ほんとは土本典昭とか小川紳介とか原一男とか佐藤真とかフレデリック・ワイズマンにも触れたいわけですが、なにぶんソフトが手元になく、授業の性格からしてもドキュメンタリー映画の話だけ詳しくする必要もないので。もちろん、学生さんたちには「A」でも十分インパクトはあった様子でしたし、単に不快なものを見せられた、という反応が出るかもという心配も杞憂だったようで、すごく率直に受け止めた感想を書いてくれてました。
「事実」を切り取るメディアの仕事も、「主観」からはどうしても逃れられない、というときに、率直に、現場の中に巻き込まれた「主観」の限界や揺れ動き自体をさらけ出す、という、「私的」でありつつ、単なる虚構でももちろんプロパガンダでもないような表現のスタンスがありうるのだというお話をしました。
- 作者: 森達也
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2002/01/25
- メディア: 文庫
- 購入: 7人 クリック: 140回
- この商品を含むブログ (110件) を見る
- 作者: 森達也
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2005/03/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 76回
- この商品を含むブログ (117件) を見る
来週は、特別講義として東京から菊池哲彦さんをお招きして、複製メディア、特に映像メディアとオリジナリティというテーマのお話をしていただけるので、話の流れとして、わりとうまくつながるかなと思っています。