宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

うーん

 1時限目、基礎演習。先週に引き続き、去年とほぼ同じ、文化を比較するって、なんで?の話を学生さんに書いたりしゃべったりしてもらいながら、だったんですが、去年より空気が重い感じがしてしまいました。
 今年は「比較文化入門」という新しい授業が直後の2時限目にあるのでそっちに気力体力を取られているため、自分では意識しなくても去年より気合が入っていないのか、単に体が微妙に疲れているからか、はたまた今日のどんよりした天気のせいか。もちろんすごく一生懸命聞いてくれてる感じの人も多いんですが、あきらかにだるそうor隙あらば私語してやれ、な感じの学生さんが自分の目についてしまうのでした。ぬー。こっちのバイオリズムを本当に敏感に学生さんは感じ取ってるってことなんだろうなあと思います。


 2時限目、比較文化入門のクラス・セミナー。基礎演習の微妙なもどかし感を引きずってしまったらしく、こっちもなんか不完全燃焼。
 学生たちに1週間授業出てみてどんなだったか聞いた上で、クラス担任が自分の大学生時代について語るという共通のお題で臨んだわけですが、僕がしゃべりだした途端、一人がどんどん睡魔の虜になっていってしまい、じゅ、十二人のクラスで眠そうにされてる・・・という久方ぶりの衝撃に必死で耐えつつ、それなりに面白いはずのわが行き当たりばったり人生を語ったんですが、自分の目の前で目は半開きのまま軽く船をこいでる人に声をかけ、ほかの学生さんにもちょっと話をふったりしてメリハリをつける、といういつもならできることが、なんか怖くてできないんでやんの。
 なんとか話自体の面白さでこの人に起きてもらえないかと余計自分ばっかりしゃべり続けるという悪循環で、これでは単に飲み会で「俺の若いときはよぉ」と語り続けるオヤジ状態ではないかと思いつつ、時間が来てしまったのでした。


 自分が考えた授業プランに従って、学科の先生みなさんに同じお題を強要していながら、多分、今日一番授業が下手だったのは僕だったと思われます。終わった後、「センセイ面白かったー」と言ってくれた学生さんもいたんですが、果たしてほかのみなさんにとってはどうだったのやら。
 終わってからよく考えてみると、つい最近まで大学院にいたため、いまだに学生気分が残ってて、大学生時代が広い意味で「最近」に入っちゃってるので、ちゃんと対象化されてないんですよね。
 「漫画との出会い」とか「評論なるものとの出会い」とかは何度かまとめて話したことがあるので、語りのパターンもできてるんですけど、大学時代のことをまとめて人に話すのって考えたら初めてなので、どこに重点があって、どこに息の抜きどころを持ってくるかとか、全然できてないわけです。
 その意味でも、ちゃんと「私の学生時代」を語るパターンのできている(と思われる)ベテラン教員の先生方の方が今日の話は上手かったんだろうなあと思います。実際、授業が終わった後顔を合わせた先生方は、みなさん「意外とよく聞いてくれました」とか「意外と色々言ってくれました」とおっしゃって楽しそうにされていたので。


 そんなわけで、大学教員たるもの、せっかく開幕にピークを持ってきても、2週目で早くも下り坂では話にならんという教訓でありました。反省します、はい。