宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

今日の「比較映像(日本)」は

 「東映動画からテレビアニメへ」の2回目ということで、「アルプスの少女ハイジ」の第2話、アルムのおんじのところに来たハイジが、干し草のベッドを作ったり、火であぶってとろーりとなったチーズをパンに乗っけてもらったり、自分用のいすを作ってもらったり、夕方不意に山の斜面を風が吹き上がってきたりする「おじいさんの山小屋」と、「未来少年コナン」の第8話、ラナがロープを噛み切ってボートでコナンを助けに行ったり、海に沈んだコナンとラナのかの有名などきどきシーンがあったりする「逃亡」を見ました。
 高畑演出と宮崎演出を対比的に見てもらいつつ、実は「富野喜幸」時代に「ハイジ」全52話中17話分もの絵コンテを切ってる富野由悠季が、自伝の中で高畑演出について語っているくだりを紹介したりして、70年代を通じて、テレビアニメの世界で旧・虫プロ系の人々と、旧・東映動画系の人々が様々な局面で仕事をともにすることで、お互いが何を考え、何を得たのかをきちんと研究していかないと、今日にいたる日本のアニメの歴史はリアルに見えてこないんじゃないかみたいな話をしました。ま、アニメ論プロパーの人たちにとっては言わずもがなのことでしょうが、うちはマンガ学科とかアニメ学科とかじゃないんで、そもそも宮崎駿がアニメにおける手塚治虫の仕事を批判してることすら知らなかったような学生たち相手ですから。

アルプスの少女ハイジ(1) [DVD]

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未来少年コナン 3 [DVD]

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