宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

「記録は可能か。」展@東京都写真美術館


 この日は付属校推薦入試だったんですが、終わった後ゼミ生1名&卒業生1名と見に行ってきました。


http://syabi.com/contents/exhibition/index-1722.html


 60年代から70年代のドキュメンタリー映画アバンギャルド映画が構成的にはメイン。金坂健二、宮井陸郎、おおえまさのり、小川伸介・・・それぞれ10分から50分くらいの作品を上映してました。みんなかっこいいかっこいい。
 早稲田の演劇博物館の研究プロジェクトの成果を生かした社会主義運動系幻灯(←勝手に命名)も面白かったです。プロジェクトに参加されてる鷲谷花さんと紙屋牧子さんによる解説も懇切。今回見に行ったのも鷲谷さんから招待券をいただいてのことでした。この中で、個人的なお目当ては、「だるまちゃん」シリーズや「からすのパンやさん」で知られる絵本作家、加古里子のセツルメント時代の作品でした。実際にあった労災事故を丁寧に取材した上で、物語化したもので、切なさと力強さが同居していて、加古里子らしさがすでにはっきり出ている幻灯でした。
 硬派の、いい展覧会でした。会期終了前日の土曜日だったので、当然かもしれませんが、思っていたよりずっとたくさんお客さんが入っていて、どの映像の前にも椅子に座りきれない人がたくさんで、うれしかったです。