宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

岡本太郎展とベッティナ・ランス展


 昨日、4月12日ですが、ゼミ生誘って「生誕100年 岡本太郎展」東京国立近代美術館)と「ベッティナ・ランス写真展 MADE IN PARADISE 女神たちの楽園」東京都写真美術館)をはしごしてきました。
 3月11日からこっち、おそらくかなりうざいレベルで、ゼミ生たちには何かとメールを流してきたんですが、やっぱりお互い顔合わせる機会があった方がいいなと思いまして。こういう状況で見るのにふさわしい、力のある表現に僕自身触れたかったということもあり、この二つをまず選びました。



 ベッティナ・ランスもなかなかよくて、マドンナの2枚なんかは、やっぱり被写体としての力も半端ねえな、と思ったんですが、岡本太郎はさらに段違いに良かったです。
 構成としては、その仕事歴を、その都度彼が「対決」してきたものを強調しながら、順を追って包括的に見ていくオーソドックスな展示でした。やっぱり一つ一つの表現の強度がすごいので、変にひねった展示の工夫をしないっていうことだと思います。
 岡本太郎の表現って、日本の現代美術の中ではずば抜けて「分かりやすい」と思うんですが、その「分かりやすさ」は、決してそこで何が表現されているかが分かりやすいということではなくて、人の目を引き付ける「力強さ」のことなんですよね。
 絵にしても立体にしても、「メッセージ」として何を言わんとしているかすぐ分かるようなものではないんですが、造形的にはわりとシンプルで、まるっきり抽象表現でもなく、ある程度の具象性があるので、単にわけが分からない、あるいは小難しい、という印象は与えず、まさに、「何だこれは!」と思わせる、分かりたくなる分かりにくさが、バーンと目に飛び込んでくるんですよね。
 いやー、よかったよかった。ほんとに、今、こういう状況だからこそ、より一層見るべき展示になっていると思います。開館時間が短くなっていますが、まだの方はぜひぜひ。


 二つ展覧会見た後は、前から行ってみたかった恵比寿の高級ハンバーガー屋さんに行き、みんなでいい肉といいバンズのバーガーをむしゃむしゃ食べました。
 明日も午前中会議ののち、浮世絵展を二つはしごしてきます。