今日は次男からリクエストでした。
- 作者: みゆきりか,なかやみわ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/09/21
- メディア: 単行本
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古くなってしまったばすくんが新型車両に取って替わられて田舎の路線に売られ、そこでも悪路で車軸が折れてしまいます。驚いたことにそこからレッカー車で山奥に運ばれてそのまま放置されてしまうんですよね。そんなバス会社、あんのかなあ。2007年の作品ですよ?
で、体にツタがからまってしまってもばすくんは動けないだけで生きていて、雨の日にタヌキを車内で雨宿りさせてやったことから、冬には冬支度が間に合わなかった動物たちを車内で冬眠させてやって、それから動物たちと暮らしました…っていうお話なんですが。
乗り物絵本がリアリズム重視じゃなきゃいけないとは思わないんですけど、この作品でのリアリズムの外し方は、とにかく「ばすくんかわいそう!」と思わせるためのご都合主義なんですよね。修理できなくなった車両を山の中に放置するバス会社ってのもそうですし、新型車両より馬力がないから、満員になると坂道で後ろから来た新型車両に追い抜かされるとか、バスがバスを追い抜けるような道幅に描かれてないのに、おかしいじゃん。
文章も、いちいち、けなげなばすくんへの同情を促す余計な表現が多くてうざい。山奥へ売られることを聞いたばすくんは「ぐっとくちびるをかみしめてしゃちょうのはなしをきいていました」とか、売られた後も「ねんりょうもおなかいっぱいはもらえません」とか、継子いじめものじゃないんだからさって言いたくなってしまいます。
でも人気作みたいですよね。次男も借りてきてから何度もかあちゃんに読んでもらってましたが、今日読んでてリアクション見てて思ったのは、要はバスが出てるってだけで好きなんだなってことでした。だって、いつもはお話聞きながらいちいちなんか言って来たり絵の細部について教えてくれたりするのに、目こすりながら聞いてるだけで、一番盛り上がったのは、読み終わった後付録でついてる「ばすくんマップ」を広げてとうちゃんにばすくんの走った道を教えてくれた時でしたから。
あ、絵の細部の描き込みも、バスの行き先表示が「こころ行き」だったり、広告が「大ヒット上映中 日はまたのぼる 主演ばすくん」だったり、なんだかなあ、でした。
すいません、基本的に子供が選んだ本にこの場でああだこうだ言いたくないんですが、これはちょっとなあと思ったので。もちろん、次男にはそんなこと言わずに普通に読んでます。