武富健治さんをお招きしての特別講義のご案内

　ミヤモト担当の文学部の授業、「比較表象文化」の特別講義として、「鈴木先生」（現在８巻まで、双葉社）を、『漫画アクション』で連載中のマンガ家、武富健治さんをお招きします。

北九州市立大学文学部比較文化学科「比較表象文化」（担当：宮本大人）特別講義
「『鈴木先生』の作り方
　−作者・武富健治が明かすマンガ創作の思想と方法−」

　『漫画アクション』連載の「鈴木先生」（現在８巻まで、双葉社）で２００７年、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞されている武富健治氏をお招きし、当科目担当教員で、「鈴木先生」の第２巻の解説を執筆している宮本大人が、聞き手としてその創作の秘密に迫ります。

【日時】１月３０日（土）４時限（１４時４０分から１６時１０分）
【場所】北九州市立大学北方キャンパス　本館　Ｃ−２０１教室
【受講料】無料
【事前申し込み】不要
＊教室は１４時１５分開場とします。
＊教室の収容人数に限りがあります（授業履修者＋約１００名）ので、満席の場合は、立ち見となる可能性もございます。
＊事前に取材申し込みをされていない場合、録音、撮影はご遠慮ください。
＊車でのご来校はご遠慮ください。
＊キャンパスへの交通アクセスにつきましては、大学ホームページをご覧ください。
http://www.kitakyu-u.ac.jp/access/kitagata.html
＊お問い合わせはＦＡＸまたはメールで宮本大人研究室までお願いします。
ＦＡＸ：０９３−９６４−４１２９（研究室直通）
メールアドレス：hrhtm2005@kitakyu-u.ac.jp
＊武富健治氏のホームページはこちらです。
http://www.oxna.net/

　武富さんからは、『鈴木先生』第２巻の解説を書かせていただいて以来、「そのうち研究室に遊びに行きたいです」とおっしゃっていただいていたのですが、今回、お忙しい中、連載の合間を縫って、九州までおいでいただき、教室にご登壇いただけることになりました。本当にありがとうございます。

　驚異の学園サスペンスにして、愛憎渦巻く青春グラフィティ「鈴木先生」。

　生徒の数だけ違う見え方の物語が存在する、教室という藪の中に、安易な相対主義をなげうち、異常なまでの情熱に論理という武器を携え、ひたすら分け入って行く探偵、鈴木先生。

　生徒、同僚、保護者、さらには読者が、自明なものと信じて疑わない、「常識」に、「道徳」に、「リアリティ」をめぐる認識に、根本的な疑いを突き付ける「デビルマンのような人間」（著者自身の言葉）、鈴木先生。

　一度顔がはっきり描かれた生徒は全て、その家庭事情や生育歴に至るまでが設定されているのではないかと思わせるほどの、徹底した登場人物描写と、その錯綜した人間関係を、「問題」とその「解決」という過程の中で語り切る構成の密度と、表現の過剰さ。

　一人の生徒の給食中の問題行動というミクロなミステリーから始まった作品は、「性」をめぐる倫理問題に徹底して踏み込んだ上で、いつしか学校全体を巻き込む生徒会選挙や文化祭の一大スペクタクルを描き尽くすスケールにまで成長しています。

　いったい、どのような思想と方法に基づいて、このような作品が生み出されているのでしょうか。
　その謎に、可能な限り、作品の表現に即した形で具体的に迫りたいと思います！

　…と、思いますのですが、武富さんからは、すでに日程の相談などのメールに書き添えられる形で、膨大なメモが送られてきています（笑）。
　もはやこれを読み上げるだけで９０分授業は終わってしまいそうな勢いですが、とことん準備をして本番は遊ぶ、くらいのリラックスした雰囲気の中で、ライブでしか聞けないお話を引き出せればと思っています。
　当日は、受講者のみなさんからのご質問にお答えいただく時間も用意しています。
　以下の武富作品を熟読の上、アツいご参加をお待ちしています。