宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

今週の比較メディア文化=メディア文化概論

 おお、この授業の報告、久しぶりですね。って知ってる人がどれくらいいるのか分かりませんが。
 今週は、学外からゲストの方をお招きしての特別講義でした。
 NHK−BSの「週刊ブックレビュー」や、ハイヴィジョン特集「ファーブル昆虫記」などを手掛けている、フリーランスのTVディレクター、飯塚聡さんに「ドキュメンタリー映像の現場から」と題して、今までのご自身の仕事歴を振り返りながら、実際に作品の一部を見せつつ、お話をいただきました。
 飯塚さんは、映画の専門学校を出た後、劇映画→ドキュメンタリー映画→フリーになってテレビの教養・ドキュメンタリー番組と、様々な畑を経験して来られているので、単純に、この授業を受けるまでは、テレビ番組はすべてテレビ局の社員が作っているものと思っていたような学生たちには、映像制作の仕事にはいろんなあり方があるんだよというのを、具体的に知ってもらえればと思って、この特別講義を企画しました。
 昨年亡くなられたドキュメンタリー映画監督の佐藤真さんの「まひるのほし」の助監督としての仕事から、現在に至るまでのキャリアを、詳細なレジュメに沿って語っていただき、僕にとっても大いに勉強になりました。
 特に、多チャンネル化による番組不足を、取材映像のデジタルアーカイブ化によって補うこと、つまり、「使える」素材映像を容易に検索できるため、一つの取材映像の、全然異なる文脈での再利用が頻繁に行われるようになっていることとその問題点の指摘は、そもそも、そうか、そこまで来ているのか、という驚きもあり、考えさせられました。ハンディカム・カメラやノンリニア編集ソフトの普及などの技術の軽便化が、ある面では制作者の技術の低下をもたらし、またかえって家内制手工業的に番組制作が行なわるようになっている傾向にあることの問題点についても、同じ感想を持ちました。
 で、なんでそんな人を僕が呼べるかというと、大学のときの同級生だからなんですね。ふと気付くと、自分の友人が、自分の授業の特別講義にぴったりのキャリアを積んでいるではないか、みたいな。おかげさまで、リラックスした雰囲気で、大変充実したお話をいただけたと思います。
 夜の懇親会では、恥多き大学時代の話もちらちら出たりして、楽しい時間を過ごすことができました。いやー、飯塚、ありがとう。
 ちょうど今月、「ファーブル昆虫記」がDVD化されたそうなので、紹介しておきます。BOXセットとバラ売りがあるみたいです。

ファーブル昆虫記 南仏・愛しき小宇宙 DVD-BOX[3枚組]

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ファーブル昆虫記 セミとサソリ 生と死を見つめて [DVD]

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