宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

福岡は一日雨でした

 センター試験を受験した方、監督した方、お疲れ様でした。私は、せっかくいただいたお休みを、有効に使わせていただくべく、学生たち数名と一緒に、福岡市内のギャラリーと映画館をはしごさせていただきました。
 まずは薬院のギャラリーIAFSHOP「Unvisible Fragments 全てのものが見えなくなった者の眼で世界を見ること」を。作家の實松亮さんが、以前、マンガ学会の九州部会においでいただいたご縁で、お知らせいただいたのでした。 全体的なコンセプトを實松さんが立てて、坂本千代さんがデザインした服を着たダンスパフォーマンスグループのゼルプストが踊るのを實松さんが撮影して映像作品に編集したもので、面白かったです。
 身体表現の世界には興味はあるものの年に1,2度しか触れないのですが、やっぱり身体を普通じゃなく動かせる人たちってすごいなと思います。衣装も面白いデザインとつくりだったし、立体感のある衣装と動きが2次元の映像になることの意味にも意識的な作品だった気がします。って会場におられた實松さんのお話をじぶんなりに単純化しただけの感想なんですけど。
 そう、少しの時間ですけど實松さんに直接お話がうかがえて、学生たちにとってもラッキーだったなと思いました。ちなみに實松さんのウェブサイトはこちら。日本語にも切り替えられますよ。

http://www.bx.misty.ne.jp/~sane/index01.html



 映像を見終わって、今までにこのギャラリーで開かれた展示の写真を見せてもらってる学生たち。自分でもなんでこんな写真を撮ったのかよくわからないのですが、そんな自分の記録として載せておきます。
 撮るよーつって撮った写真は明らかに失敗してるのですが、ま、それも載せときます。

 もうちょっとまったりしたい気分を振り切って、今度はバスで博多駅へ。シネリーブル博多で上映中の「ペルセポリス」を見ます。昨年日本でも翻訳が出て話題を呼んだマルジャン・サトラピのマンガを原作に、サトラピ自身も監督の一人として製作に携わってアニメーション化したものです。
 恥ずかしながら、原作はまだ読みそびれているのですが、いや、これはうわさにたがわぬすばらしい作品でした。イスラム革命の展開に沿ってテンポよく進む前半も、主人公マルジの最初の渡欧以後の個人的な精神の遍歴の、話の先が見えなくなる後半も、そのわかりやすい盛り上がりのなさが逆にリアルで、よかったです。
 んで、最後は天神に移動してイムズ内の三菱地所アルティウムで開かれている「アンテ・ヴォジュノヴィック展−竹に咲く花」。これは、ちょっと、期待はずれでした。基本的にギャラリーの空間をひとつの作品のために使い切ってしまっているんですが、二つだけ過去の作品もある分、全体に中途半端な印象でした。メインの作品も、彼の作品をもっとたくさん展示したでかい空間の中に置かれていれば、これはこれでいいんだと思うんですが、あの狭い空間の、6割くらいを占めるという微妙な感じだと、もう一歩、何らかのインタラクティブな仕掛けがないと、拍子抜けしてしまう感じでした。
 その後は、今泉で飲み食いして解散。僕はこれから明日の授業の準備です(ええええ)。