宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

今日の寝る前の本

 定期購読の「かがくのとも」と、最近買った定番中の定番の2冊を。

 「どっちもすき」というタイトルです。ひろいところで鬼ごっこ、狭いところでかくれんぼ、どっちも好き。という調子で、いろんな対照的なものごとが、2ページ+2ページの4ページ単位で並んでいきます。これがなんで「かがくのとも」かというと、折り込み付録に載ってる作者の言葉によれば、「短所が長所にみえて、長所が短所にみえたりしたら」「今まで知らなかった新しい事が発見できるかもしれない」ってことみたいです。発見の喜びは科学の原点ですもんね。いい絵本でしたよ。
こねこのぴっち (大型絵本)

こねこのぴっち (大型絵本)

 ほんとに定番中の定番。うちのオクサンが子供の頃一番好きだったという絵本です。オクサンちにあったのは、「岩波のこどもの本」のシリーズの一冊になってる、シリーズ全体のサイズに合わせてトリミングされちゃってるこっちなんですけど。
こねこのぴっち (岩波の子どもの本)

こねこのぴっち (岩波の子どもの本)

 で、お話的にこれの前編にあたる「たんじょうび」は、ずっと前から家にあって何度も読んでるんですが、この2冊、なぜか版元も訳者も違うんですね。「たんじょうび」は福音館書店でおおつかゆうぞう訳、「こねこのぴっち」は岩波書店石井桃子訳。訳し方の違いがいろいろあって、コドモもすぐにいくつも気付きます。
 おばあさんの名前が「たんじょうび」では「リゼッテ」、「ぴっち」では「りぜっと」、ぴっちのおとうさん猫は「たんじょうび」が「マウリ」で「ぴっち」は「まり」等々。石井桃子は英語版から訳してて、おおつかゆうぞうはドイツ語版から訳してるってことでしょうか。ちなみにコドモの説では、「リゼッテ」と「りぜっと」の違いは、「にほんごにないおとだからじゃない?」という王道。てことで、テとトの間の難しい発音を多分こんなのじゃないかとつばを飛ばしながら実演してくれてました。
 あと、「ぴっち」の表紙と裏表紙の見返しのところに、毛糸玉にじゃれる猫の絵がいっぱい描いてあるんですが、おかあさんは、これを、今回あらためて買うまで、30年余り、ずっとぴっちだと思ってたら、なんと兄弟のぱっちの方だと子供に指摘されて判明。てか模様ではっきり分かるんですけど。
 「だって『こねこのぴっち』のお話なんだからぴっちだと思うじゃーん」と言うかあちゃんに、「しつれいじゃない?かいたひととかぱっちとかに」とこれまた恐ろしいほどの正論を吐くわが息子に、かあちゃんギャフン、とうちゃん爆笑な夜でした。