宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

今日の寝る前の本

 今日はあったかかったですが、先週は寒かったし、もうすぐ冬やねということで。

ゆきのひ (こどものとも傑作集)

ゆきのひ (こどものとも傑作集)

 これはほんとにいい絵本だなあ。前にも書いた気がしますが、クライマックスのところで、それまで三人称の語りを淡々と進めてきた語り手が、急に「まふらーを くびに まいた とよちゃんの おとうさん きをつけてー」と作中人物に向かって(そして「マフラーを くびに まいた」と、思い切り遠景にシルエットで描かれたとよちゃんのおとうさんが画面のどこにいるのか分かるように言うことで、読者にも)、呼びかけるのが、最高です。子供も「えっ!?」って感じで喜びます。セツルメントで紙芝居やってた人の面目躍如って感じがします。それを手にして、たくさんの子供を前に読み聞かせをするためのメディアとして、絵本を捉えていて、それが、思いがけず訪れた物語の山場に語りの変調をもたらさずにはいないのです。
 今日は細部の絵の描写までゆっくり読み込んだんですが、ページをめくるテンポが遅かった分、最後の著者略歴のページにも目が行き、「このひと『だるまちゃん』かいたひと?」と驚いていました。前にも言った気がするんですが、こっちの勘違いか、向こうが忘れてたか。でも今日はぱちんとつながったみたいです。