宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

今日の寝る前の本

ヤンヤンいちばへいく

ヤンヤンいちばへいく

 これはいい!
 これもいただきものなんですが、やっと紹介できました。なんせ僕が読ませてもらえないとここに書けないんで。
 東京に住んでた頃、児童文学・児童文化関係の集まりでよくお会いしてた、中国の児童文学を研究されている河野孝之さんが、たまたまご実家が福岡ということで、先日帰省された際に、お土産にとわざわざお持ち下さったのでした。
 中国の作家の絵本というのは初めてだったんですが、これはいいです。
 普段は上海に住んでるらしきヤンヤンの一家が、おばあちゃんの誕生日のお祝いに地方の町にやってきます。ヤンヤンは5歳から7歳くらいの感じの男の子で、おばちゃん(といっても若いんですが)といっしょにお祝いの準備の買出しに、町の市場でいろいろ買い物をします。
 ウチの子にしてみれば、まずヤンヤンが上海からやってくるのがうれしいわけです。5月に行ったので、唯一知ってる中国の街ですから。で、おばちゃんがこぐ舟に乗って、ここでは川が道、船が車なの、と言われながら、市場の近くにやってくるのもうれしい。かわがみち、ふねがくるまだって!みたいな。
 どことは明記されていないんですが、町には活気があって、いかにも中国の地方都市らしく朝食を外のお店でとる人々の間を縫って、市場へと向かいます。どの画面もたくさんのお店、たくさんの品物、たくさんの人々、たくさんの仕事が描かれていて、見ていて飽きませんし、ヤンヤンウォーリーを探せ状態になることも多いので、画面のすみずみまで眺めながら、あ、ここにいた!みたいな楽しみもあります。いろんなお店で買い物をして、ちょっとお芝居を覗き見して、また船で帰るだけのお話ですが、ゆったりした時間の流れの中で、でもコドモにとっては十分コーフンさせられる雑踏の活気を堪能できます。絵も渋いなあ。
 ちょうどこの本を持ってきていただいた日から僕はゼミ旅行に出かけていたので、河野さんにはお会いできず、その日の夜、おかあさんがこれを読んだんですが、おかあさんとコドモは僕がゼミ旅行でいなくなるからってんで、次の日からおかあさんの実家に行くことになっていて、そのためのおみやげを買いに行ったばかりだったもんですから、おばあちゃんちにお土産を買っていく、というシチュエーションが重なることになって、すごく盛り上がったようです。
 僕が読み聞かせたのは今日が初めてだったんですが、これはほんとにいいなあ。気に入りました。
 河野さん、ありがとうございました!