宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

水曜日の夕方から

やっと東大の集中講義の準備に取り掛かっています。
とにかく大量の資料(またはそのコピー)を、持って行くわけにはいかないので、がんがんスキャンしているわけですが、博論がらみの資料は今までスキャンしていなかったので、もの凄い量になってしまい、今の時点でまだ全体の3分の2しか終わってない始末。
多分何とか明日の夜東京に発つまでに終わらせられるとは思いますが、レジュメは全くできてません。
僕は、初めて非常勤講師になって以来ずっと、講義では、読めば全部内容が分かるようなレジュメをかっちり作って、時間配分もきっちり考えてジャスト85分から90分くらいで話がまとまる、というやり方をとってきました。いつも成功するとは限らないんですが。
大まかな内容を決めておいて、学生の反応を見ながら、またその時その場で浮かんだアイデアを活かしながら、臨機応変に進めていく能力が、というか自信が、なかったからなんですが、今回、ちょっと開き直って、そういう形に挑戦してみようかなという気になってきています。
今回は、すでに一部発表済みの内容や、博士論文の草稿が出来上がっている部分の話ばかりなので、話したいことそのものはアタマに入っているので、なんとかなるんじゃないかと思ってます。
年末ですし、内容が内容だけに、僕の講師歴の中で最も少ない34名という履修登録者数になりましたが、その分、関心の高い人たちに集まってもらっていると仮定して、10年溜め込んできたものを、できるだけ吐き出そうと思ってます。講義のやり方としても、ミヤモト史上最もナマな感じになると思いますので、「結局単なる準備不足じゃねえか」という疑問は無理やり封殺していただいた上で、期待してて下さい。あ、とりあえず戦前・戦中漫画の図版が大量に見られるだけでもお得ですよ!>東大生諸君。
以下に大まかな予定を記しておきます。

26日
 2時限:問題意識と「新宝島」をめぐる議論
 3時限:「キャラクター」の成立―「正チャンの冒険」等
 4時限:「のらくろ」論(1)
 5時限:「のらくろ」論(2)
27日
 2時限:子供向け物語漫画の出版・流通の状況
 3時限:戦時統制の論理
 4時限:戦争と「成長」(1)
 5時限:戦争と「成長」(2)
28日
 2時限:「教育的」漫画論の展開
 3時限:「教育的」配慮の浸透過程
 4時限:空想・科学・漫画(1)
 5時限:空想・科学・漫画(2)

4コマってことは毎日6時間、ビデオ見せたりもしないで、3日続けてしゃべり倒す予定ですが、そんなことはこのガラスののど粘膜の持ち主に可能なんでしょうか。いろんな意味で限界に挑戦する2005年末になりそうです。では!