宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

5日(月)は

やっぱり去年の明学の「日本文化論」履修者で、前にも書いた少女マンガ家デビュー目指して奮闘中のKさんと渋谷の台湾料理屋→カフェにて。いやー、なんちゅうかこう、心洗われました。最近「クッキー」に持ち込んだ原稿を見せてもらったり、実家に帰ったときに出てきた小学3年生のときのマンガを見せてもらったり(なにげに長編。ノートに描かれてて、まあ、あれとあれとあれを合わせたような少女マンガなんだけど、小3でこんなに描けてればそりゃクラスで人気になるよな、て感じのもの。単純に資料としても興味深かった)、やっぱり実家に帰ったときに地元誌の広告で見かけたマンガ教室のセンセイの話を聞いたりしました。このマンガ教室のセンセイ、貸本屋を営むかたわら近所の小学生相手にマンガを教えていて、彼女が「ネーム見てもらっていいですか」とたずねたところ、「えっ、そんな本格的なの?」と驚きつつ、一生懸命相手してくれ、自分の今までの経歴や作品について教えてくれたそうで、その話がすっごい面白かったです。「フレッシュジャンプ」でデビューしたものの、担当編集者と意見が合わず、「少年キング」に移るものの、移ったとたん同誌は廃刊。そんなこんなで上京するタイミングを失ったまま、今は地元で商店街の紹介マンガやタウン誌で4こまを連載したりしていて、作品のコピーを見ると、なんちゅーかこう、器用貧乏というんでしょうか、達者なんだけど何かが足りない、みたいな感じで、でも、マンガ好きなんだな、今も楽しんで描いてんだなってのは伝わる、という感じで、よかったです。自分の貸本屋としての日常の一こまを「ボーダー」のパロディで描いてたりして。こういう人、全国にたくさんいるんだろうな。ともかく、マンガを支える「裾野」のことなどを考えもした夜でした。