宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

昨日は明治大学の卒業式でした

 昨日3月26日、明治大学の卒業式でした。国際日本学部宮本大人ゼミナールは4期生20名が卒業を迎えました。
 


 4期生は、北九大時代も含めてミヤモゼミ史上最大の人数でスタートしました。ゼミ入試の1次募集で23名も来てしまったので、落とす気満々で、例年よりハードな課題を出したのに、みんな頑張ってきてしまったので(とはいえ若干一名例外的な悩ましいケースもあったので→こちらhttp://miyamoseminar4.blog.fc2.com/blog-entry-204.html参照)、悩みに悩んで全員合格にしました。
 国際日本学部はゼミ必修じゃない、当然卒論も必修じゃないことから、卒論を課す、いわゆる「ガチゼミ」のウチからは、1期生から3期生まで毎年3,4名の離脱者を生んでしまっていました。23名もいたら、普通に考えて離脱者が出ない方がおかしいわけで、ま、無理ならやめてもらってもいいし、という気持ちはありました。その一方で、毎年3,4名やめてしまうということに対して、何とか今年こそ誰もやめないゼミにできないか、という気持ちもありました。


 3年次に1年間留学することになった学生が一人出たので、22名でのスタートになり、さらに4年次に二人留学・休学者が出たので、今年度卒論を書いて卒業することになったのは20名でしたが、離脱者はゼロ。以前にも書いたと思いますが、すごいと思います。
 確かにこちらもそれなりに新しい努力や工夫はしました。1期生から3期生までの、あの時こうすればよかった、こうしたのはよくなかった等々の後悔や反省を活かしたいという意識で、実際のゼミの活動・課題に新しいチャレンジを含めました。
 とはいえ、今振り返って、やっぱり、それだけで足りてたはずはない、と思います。
 ゼミ生同士の支え合い・励まし合いがあり、なおかつ同調圧力が強すぎない、絶妙なつながり・まとまりが、4期生にはあったと思います。僕がよく言う「ゆるいけど、ぬるくない」理想的な場の形があったとおもいます。肩の力が抜けてないと集中力が高まらない、みたいなことが人の集まる場にもあると思うんです。
 リーダーは自分で何でもかんでも背負い込まず、うまくみんなに仕事を振っていくのだというリーダー論が最初からはっきりあったゼミ長と、できることよりやりたいこと重視で猪突猛進するタイプの女子副ゼミ長と、できることを考えてからやりたいことを考えようよってタイプの男子副ゼミ長、という三人体制のバランスも絶妙でしたし、彼ら以外にも全体の事を考えて、気を配り、動いてくれる子が男子にも女子にもいてくれました。
 昨日の卒業式後の飲み会でも開陳されてましたが、あのとき○○が声かけてくれなかったら自分はやめてた、的な感動エピソードも僕の知らないところでいくつもあったようです。ほんとちょっと奇跡的なメンバーだったと思います。
 ちなみに、この2年間を彼らがどう振り返ったかは、ゼミブログに20通りのかけがえのないエントリとして書き留められていますので、ぜひ目を通してみてほしいと思います。


http://miyamoseminar4.blog.fc2.com/blog-category-12.html


 そんなわけで、終わってみれば、この子たちはもっと伸ばしてあげられたんじゃないか、まだまだ伸びしろがあったんじゃないか、みたいな贅沢なことを思ってしまえるような、一人一人としても集団としても力を感じさせるゼミになったのでした。実際伸びしろはあったと思うので、それはこの先の人生で伸ばしていってもらえると思います。


 こちらとしても、こうしてあげればよかった、こうしたのはよくなかった、より、こうしたのがよかった、これを意識して避けたのがよかった、と思えることの方が多い、そういう経験を与えてもらえた2年間でした。教師として少し成長できたとすればまったく彼らのおかげだと思います。本当に感謝しています。もっと続いてほしいと強く思える幸せな2年間でした。


 とか何とか言って感動的に締めくくりたいところなんですが、実は半分以上のゼミ生が、まだ卒論集の自分のページのDTP作業が終わっていないという前代未聞の事態になっています(笑)。ウチは卒論集を自分の論文のページは自分でDTPソフトのインデザインを使って作成する、表紙や裏表紙のイラストもゼミ生が描く、といった形で作っているのですが、そして3期生の卒論集はいろいろあってこないだようやく入稿したりしてるわけですが、にしても卒業式を過ぎても作業が終わってないゼミ生は1人とか2人とかだったわけで、今年は正直ええええ?って感じです。
 作業の面倒さを甘く考えてて、卒業旅行とかとかぶって作業が予定より大幅にずれ込んだパターンや、今もまだ内容を直し続けてるパターンがそれぞれ複数あってこうなっちゃったんですが、これはでも、僕がDTP作業の大変さをきちんと伝えきれていなかった&作業のためのスケジュール確保を徹底させられなかったことにも、ちょっと見込みの甘さがあったと思います。4期生だから大丈夫って、最後の最後でちょっと油断したというか。
 むしろ4期生だからこそこの期に及んでまだ直したいって子が複数出てきたり、自主的に卒業前のイベントを企画・実行したりするとかって事態も想定しとくべきだったです。まだまだ教員として未熟な証拠であります。いやー、驚いた。なので昨日の卒業式の後の飲み会でも、涙涙的な場面も随所であったものの、まだ卒論集あるからすぐ顔合わせるよねー(てへっ)的な空気もあって、ま、それもそれでミヤモゼミらしくていいのかなと。
 いずれにしても、5月5日のコミティアにゼミとして参加して卒論集売りますんで、それまでには必ず完成させたいと思います。


 夜の飲み会も、例年、自分のサークルの飲みとかと重なって全員は参加できなかったり、飲み会だけで解散になったりしてたんですが、今年は飲み会もほぼ全員参加、さらに半数以上がカラオケオールと、仲の良さが表れた形でした。
 僕も、今日27日には朝10時からふたつ会議があって、夜は「OTAKU EXPO」のレセプションもあるというタイトな一日だったにもかかわらず、初めてカラオケオールまで付き合って、なんだかすっかり卒業式の一連のイベントを堪能してしまったのでした。ゼミの、じゃなくてカラオケオールというもの自体が初めてだったんですけど、「ロックンロールは鳴り止まないっ」(神聖かまってちゃん)に始まって、「旅人」(ブルーハーツ)、「僕らが旅に出る理由」(オザケン)、「三国駅」(aiko)、「ロビンソン」(スピッツ)、「フライングゲット」(AKB48)、「ゴーゴー幽霊船」(米津玄師)、「桜の花、舞い上がる道を」(エレカシ)、と朝5時までコンスタントに歌い続けて燃え尽きました(笑)。



 人数が多いこともあって、例年にも増してゴージャスなお花をもらいました。「38」はゼミブログの「38ch」の38ですね。あと、ゼミ生一人一人の写真とメッセージカードをつづったアルバムももらいました。毎年こういうのもらえて、ほんっとに幸せだと思います。


 いつも言うんですけど、すごく愛おしいと思える時間が自分の人生の中にあった、ということはそれだけで、その先の人生の支えになってくれると思うんですね。行き詰ったとき、壁にぶつかったとき、先が見えなくなったときは、その愛おしい時間にまでさかのぼって、今の自分の状況からちょっと距離を置いて力を抜いて、壁を乗り越えられそうなら登ってみるし、乗り越えられなさそうなら壁に沿って歩いていれば(これはゲージツ家の篠原勝之が以前言ってていいこと言うなあと思ったことです)、どこかで壁が終わったり、抜け道が見つかったりするものです。
 自分の中で振り返るだけじゃなく、その愛おしい時間を共にした仲間と実際会って話してもいいし。
 みんなにとって、ゼミの2年間が、この先の人生でそういう力を持つ時間であってくれるといいなと思います。と同時に、この先の人生の中でも、みんながもっとたくさんの愛おしい時間を持てるよう、祈っています。ご卒業、おめでとうございました!