宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

特別トークショー「キャプテンハーロック復活祭」!



 北九州市漫画ミュージアム開館1周年&劇場版「キャプテンハーロック」完成記念ということで行われた「キャプテンハーロック復活祭」、無事終了しました。
 ハーロックは、「プレイコミック」で連載が始まる前から、様々な作品にその名を持つキャラクターが登場し始めていて、だんだんキャプテンハーロックのイメージが出来上がっていくんですが、第1部の松本先生のトークでは、その辺のことも含めて、原作マンガの魅力についてお聞きしました。
 北九州で講演をされるときには、必ずといっていいほどなさる小倉での少年時代の思い出話がいくつかあるのですが、今日もそちらに随時逸れつつも(笑)、元の話題からかけ離れてしまうことなく、ちゃんとその都度ハーロックの話に戻ってお話しいただけました。最後はご自分のこれからの作品への意気込みや、劇場版を応援するコメントもあり、すごくいい感じにまとまったお話になったのではないかと。個人的には、ハーロックの地球人に対する絶望には、松本先生のどのような思いが投影されているのかという、お聞きしたかったことが聞けたので、非常に良かったです。
 第2部の荒牧伸志監督のお話では、今回のフルCGで2D版と3D版が作られている劇場版について、その「再誕」のコンセプトから具体的な制作工程まで、がっつり突っ込んだお話をしていただけました。ネタバレは回避しつつだったんですが、分かりやすく面白くお話しくださった監督に感謝です。この作品は製作期間5年、ということは、東日本大震災よりも前に作業は始まっていて、福井晴敏氏による脚本もその前にできていたそうなのですが、作品にはあたかも震災を踏まえた上で作られたかのようなメッセージ性があります。その辺についてもうかがうことができました。


 これから9月の公開に向けて、様々なプロモーション活動が展開される中で、松本先生や荒牧監督のインタビューなどがたくさん出ることと思いますので、私としてはここで今日のトークの内容を事細かにレポートするのは避けておきたいと思います。
 今回のトークは、企画から今日までの準備をすべて漫画ミュージアムの方で進めてくださったもので、私はほぼ当日乗っかっただけでした。もちろん自分でも事前にハーロックを読み返したり、荒牧監督の過去作を見直して、自分なりの質問を付け加えたりはしてますが、ハーロックの連載開始以前の原型的なイメージのハーロックが登場する作品をすべて用意していて下さったり、お二人への質問事項を事前にまとめて下さるなど、専門研究員の表智之さんを中心にほんとに入念に用意してくださっていたので、非常にやりやすかったです。
 満員の聴衆のみなさんも、熱心に耳を傾けてくださって、松本先生に対しても荒牧監督に対してもよい質問をしてくださいました。ありがとうございました。
 「キャプテンハーロック」は原作マンガももっといろんな人に読んでもらいたい普遍性を持っていると思いますし、劇場版の方も東映アニメーションが社運を賭けるくらいの勢いで冒険をしている作品なので、ぜひ成功してほしいと思っています。今回の復活祭が、その狼煙になるといいなと、思っています!



 ミュージアムに置かれるハーロックの大宣伝ボード。ちょっとわかりにくいかもですが、松本先生と荒牧監督のサインが並んでいます。今日トーク終了後に書かれたものです。ミュージアムに行かれる方は是非注目してください。


【以下は事前告知として載せていた文章です】


 準備のお手伝いをしてきた北九州市漫画ミュージアムも間もなく開館1周年。あっという間ですね。
 そして名誉館長・松本零士先生の代表作の一つ「キャプテンハーロック」がフルCGアニメで映画化、9月に公開が迫っています。
 というわけで、8月3日、同ミュージアムで原作者である松本先生と、今回の劇場版ハーロックの荒牧伸志監督の豪華二本立て講演、題して「キャプテンハーロック復活祭」が行われます!
 1時間ずつの講演ですが、いずれも私が進行役を務めさせていただくことになりました!詳細は下記をご覧ください!


http://www.ktqmm.jp/event_info/2917


 事前申込制です。下記のサイトで申し込み方法をご覧いただき7月27日までにお申し込みください。
 もとはもう少し早い締め切りだったんですが、まだ残席ありということで、受け付け延長になりました。
 もしかして、北九州のみなさんは、松本先生のトークは去年もあったし・・・とか思ってらっしゃるのでは?大丈夫です。去年はちばてつや先生との対談で、お二人の思い出話が中心でしたが、今年はお一人ですし、「いつもの小倉での青少年時代の話」にならないよう、ハーロックのお話を引き出せるよう、がんばりますので。
 そして荒牧監督のトークは、かなりレアだと思いますよ。福岡ご出身とのことなので、監督からも地元に関するお話もうかがえるかもです。
 というか何より、実は私、このトークに備えて、この劇場版ハーロックの試写を見させてもらったんですが、ヤバいです。かっこいいです。すごいです。
 すでに予告編が全国の劇場でかかってて、下記の公式サイトでも見られます。


http://harlock-movie.com/


 このクオリティ・迫力の映像が、約2時間、最初から最後まで持続します。それどころか予告編での予想を上回る映像です。絶対劇場の大スクリーンで見てほしいです。
 福井晴敏の脚色は、原作のストーリーをかなり思い切ってアレンジしていますが、原作の根本的な精神は損なっていないと思います。福井と竹内清人による脚本も、骨格がしっかりしていて、いくつかちょっと説明不足かなってシーンもなくはないですが、全体には非常にシンプルで力強い物語に仕上がっています。いわゆる王道娯楽超大作で、ほんとスカッとします。
 Youtubeでは声優に文句つけられたりしてますが、実際見るとぜんぜん違和感なかったです。



 なので、1時間じゃ足りない!ってくらい監督には聞きたいことがあります。
 私、実は8月2日から7日まで、名古屋の中京大学で集中講義があるのですが、その合間の土日を使って北九州に駆けつけますので、みなさん、ぜひぜひ、ふるってご参加ください!