宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

第2回北九州まんがフォーラムと畑中純展のおしらせ

 


 (仮称)北九州市漫画ミュージアムのプレイベントとして、北九州まんがフォーラム「まんだら屋の良太VS博多っ子純情−これが九州のまんが力!−」、および畑中純さんの個展が開かれます。

第2回 北九州まんがフォーラム


「まんだら屋の良太VS博多っ子純情 〜これが九州のまんが力!〜 」

 21世紀は地方の時代と言われています。今、世界を席巻する日本のまんがも多くは地域の文化を源として発信されています。九州を代表する2人の漫画家をお迎えして、九州のまんが文化などについて、語っていただきます。
 北九州市では平成19年8月に「日韓まんがフェスティバル」が開催され、また、まんが文化の拠点施設「(仮称)北九州市漫画ミュージアム」の整備が予定されるなど、まんが文化の振興を図っています。
 今回のフォーラムは郷土にあるまんが文化を掘り起こし、九州のまんが文化を未来につなげていくことを目的として、北九州発信の文化、九州まんがの力(パワー)を再発見できる場となるものです。

【日時】
平成21年2月6日(金) 18:30〜20:30(予定)

【会場】
リバーウォーク北九州6階 北九州芸術劇場 小劇場(北九州市小倉北区室町1丁目1−1−11)

【入場・定員】
入場無料 
定員 100名(先着順)         

【申込方法】
入場ご希望の方は下記連絡先に電話でお申し込みください。


<連絡先>
北九州市企画文化局 文化振興課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2391
FAX:093-582-2677
ki-bunka@city.kitakyushu.lg.jp


平成21年1月19日(月)より電話受付開始


【フォーラム内容】
【第1部】
●ライブドローイング(ジャズと漫画のコラボレーション)
  (出演) 井島 正雄 (ジャズベーシスト)
        畑中 純 (漫画家)    

【第2部】
●漫画トークショー
  (出演) 長谷川 法世 (漫画家)
        畑中 純 (漫画家)
  (進行) 宮本 大人 (漫画研究者)



【出演者プロフィール】

長谷川 法世氏(漫画家)

 1945年福岡市博多生まれ。漫画家・小説家・エッセイスト。連続執筆した「博多っ子純情」が大ヒットし、博多ブームに火を点けた。愛郷心が強く、山笠は土居流れで毎年参加。テレビのコマーシャル出演や新聞のエッセイ執筆など幅広く活躍中。


畑中 純氏(漫画家)

 1950年北九州市小倉生まれ。77年に「月夜」でデビュー。79年より10年間「まんだら屋の良太」を週刊連載する。81年日本漫画家協会優秀賞受賞。2007年より、東京工芸大学芸術学部教授。2008年漫画「オバケ」を出版、話題になる。


宮本大人氏(漫画研究者)

 北九州市立大学文学部准教授。1970年和歌山県出身。筑波大大学院修士課程を経て、東京大学大学院総合文化研究科博士課程にてマンガ史、表象文化論を専攻。主に「手塚治虫以前」のマンガ史や、現代のマンガとそれにまつわる事象を研究。


井島正雄氏(ジャズベーシスト)

 1949年北九州市小倉生まれ。10代後半から20代前半までソウルバンドで活躍。その後ウッドベースの音に魅せられジャズベーシストとして本格的に取組む。北九州を本拠にグローバルな精力的活躍を続けるベテラン・ベーシスト。


企画展「畑中 純の世界」


 北九州まんがフォーラム開催にあわせて、北九州出身の漫画家畑中純氏の企画展を開催します。漫画家生活30年を迎え、現在版画家としても活躍されている氏の作品を数多く展示します。細密ペン画、大胆な版画、幻想の水彩画など、畑中ワールドをお楽しみください。


【開催日時】
平成21年2月3日(火)〜2月15日(日) 10:00〜18:00

【会場】
リバーウォーク北九州5階 アート&エコスペース(北九州市小倉北区室町1丁目1−1−11)

【入場】
入場無料         

【展示作品】
約100点

漫画 :まんだら屋の良太、オバケ他細密ペン画の世界

水彩画:畑中純水彩画の世界

版画 :宮沢賢治門司港、小倉の風景、日本の漫画他版画の世界

その他:大作品1枚


 「これが九州のまんが力!」っていうベタな副題は僕が考えました(笑)。だって、畑中純VS長谷川法世って対談ですから、これしかなくないですか?
 「まんだら屋の良太」も「博多っ子純情」も、大ヒット作ではありますが、今の若い世代のみなさんには、あまりなじみがないかもしれません。
 でも、簡単に言うと70年代後半に、青柳裕介の「土佐の一本釣り」とともに、関西弁以外の方言丸出しマンガが全国的なヒット作になり得るのを実証していった2作だと思うんですよね。あ、もちろん先駆として松本零士男おいどん」があるわけですが。
 長谷川、青柳、畑中、みなその原点に『COM』や『ガロ』があることからも分かるように、先鋭的なマンガ青年の地方回帰と、それを数多くの読者が受け入れたという事実は、70年代のマンガ史を考える上でも、当時の若者文化全般を考える上でも、無視できない現象です。
 また、これらの作品のヒットが、今日の「のだめカンタービレ」や「デトロイトメタルシティ」、「坂道のアポロン」といった、相当ディープな方言(全部九州ですが)を生かした作品が盛んになる土壌を作ったとも言えるわけで、決して懐かしのヒット作を回顧するだけのお話にはならないはずです。マンガとローカリティの問題を考える上で、お二人のお話は大きなヒントを与えてくれると思います。


 と、言うような、「今」に引きつけての話題の展開に気を配りつつ、基本的にはお話し上手のお二人のこと、あっという間に僕の司会など振り切ってどんどん暴走して、じゃないや、盛り上げてくださる可能性大です。
 僕もこっちに来るまでは、博多と小倉の違いなんて全然分かってませんでしたが、違うんですよねえ。その違いが、とっても面白いんですよ。「博多たい」「小倉っちゃ」、一緒にされたら困るんよ、というぶつかりの中から、トータルで九州のまんが力が浮かび上がってくると思います。
 ジャズに合わせての畑中さんのライブ・ドローイングも面白いと思いますので、ぜひみなさん、お申し込みを!


*上に載せてるチラシのPDFファイルは、下記の市役所ホームページにあります。


http://www.city.kitakyushu.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=24754