宮本大人のミヤモメモ(続)

漫画史研究者の日常雑記。はてなダイアリーのサービス停止に伴いこちらに移転。はてなダイアリーでのエントリもそのまま残っています。

夏目さんの『マンガ学への挑戦』が北大の入試問題に

昨日、人から教えられて知りました。意外と話題になってないようなので、エントリにさせてもらいます。
北海道大学の今年の前期日程の入試で、国語の問題に夏目さんの『マンガ学への挑戦』の一部が使われています。
問題文はこちら。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/jyuken/daigakubetsu/etc/hokkaido/kokugo/01.html
どういうわけか(たぶん僕がわからないだけなんですが)「an error occurred while processing this directive」というメッセージが上のほうに出て、問題文の次のページと設問が見られません。

で、解答例と分析はこちら。
http://www.sundai.ac.jp/yobi/sokuhou/hokkaido/kokugo/index.htm
最初に解答例が出ます。
上の「分析」の「現代文」をクリックすると問題分析も見られます。
問題文と、解答例と、分析を見れば、大体設問も想像はつきます。

ま、僕みたいなもんが大学のセンセイをやれているわけですから、旧・帝国大学が入試問題に当代随一のマンガ論者の著作を使ったからって、そんなに驚くべきことでもないとは思うんですけど。
あと、身もふたもないことを言うと、入試問題って毎年毎年膨大な量が全国の大学で作られているわけです。特にこうやって全国的な注目を集めるような大学は、自分の大学はもちろん、ほかの有名大学で過去に使われたものもなるべく避け(てるんですよね、たぶん)、もちろん教科書や有名参考書に載っているものも避け、しかも入試問題にふさわしい質量の文章を探すという気の遠くなるような作業をやっているわけで、上の毎日新聞のサイトに載ってるほかの大学の現代文を見ても、びっくりするくらい新しいものが使われてる例が多いですよね。そういう意味で、今の最良の水準のマンガ論は、これからむしろ「ねらい目」になってくるんじゃないかという気はします。『テヅカ・イズ・デッド』なんかも来年はどっかで使われるかもしれないですね。